CWのドラマ『スーパーガール』S4に、米国のTVで初のトランスジェンダーのスーパーヒーローが誕生します。この役を演じるのは、女優でトランス・アクティヴィストのニコール・メインズ(Nicole Maines)。
詳細は以下。
Supergirl Season 4 to Feature First-Ever Trans Superhero
『スーパーガール』は、オープンリー・ゲイのクリエイターであるアリ・アドラー(Ali Adler)やグレッグ・バーランティ(Greg Berlanti)がショウランナーをつとめるSFアクションドラマ。2016年に始まったS2ではレズビアンのストーリーラインを描き、大きな反響を呼びました。その『スーパーガール』のシーズン4に、今度はトランスジェンダーのスーパーヒーロー「ドリーマー」(Dreamer)が登場するんだそうです。この情報は2018年7月21日、サンディエゴ・コミコン( San Diego Comic-Con)で発表されました。
ドリーマーは1964年に「ドリームガール」(Dream Girl)としてDCコミックスに初登場したキャラで、コミックスの中では特にトランスジェンダーとして描かれてはいないのだそうです。TV版のドリーマーはこのドリームガールをリブートしたもので、コミックスでは「ヌーラ・ナル」(Nura Nal)だった本名も、TVでは「ニア」(Nia)に変わるとのこと。
このドリーマー/ニア役に抜擢されたニコール・メインズ(Nicole Maines)は、ドラマ『救命医ハンク セレブ診療ファイル』やドキュメンタリー『The Trans List』に出演している役者で、前者では2016年のGLAADメディア賞を獲っています。彼女はまた、メイン州の学校のトランス差別を訴えて法改正を実現させるなど、トランス・アクティヴィストとしての活動でも知られる人。彼女はVarietyのインタビューの動画で、ニアを演じることについての抱負を以下のように語っています。
上記動画の中でニコールは、番組のファンにトランスについて知ってもらいたいと思うけれど、もっと大切なのは、トランスのキャラは「トランスであること」だけで終わりの存在ではないとわかってもらうことだと説明しています。テレビにはトランスのキャラがカミングアウトしたんに話の筋がすべて「その人がトランスであること」に集中してしまうというパターンがよくあるけれども、トランスの人々の人生は、別に性自認や「トランスであること」だけに終始しているわけではない。それ以前に毎日の生活があり、いろいろ大変なことも起こるのであって、もうそろそろそういう物語が語られるべきときだというのが彼女の意見。これって自分が『クィア・アイ』S2のトランスの回で不満に思ったこととかなりかぶるものがあると思いました。ニコールによればニアは有能な記者で、強くて賢くて友達としてもいいやつなんだそうで、今からこのキャラの活躍を見るのが楽しみです。
おまけ。サンディエゴ・コミコンの『スーパーガール』パネルの全容(ニコール・メインズの登場は21:00ぐらい)と、そのあとのインタビューの動画もどうぞ。オーディションだったんですね、このキャスティング。