石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年8月12日)

ヴォーグ

マドンナの60回目の誕生日にLogoが特別企画

Logo Celebrates Madonna’s 60th Birthday With “Drag Race” and Music Video Marathon | NewNowNext

2018年8月16日に、マドンナが60歳の誕生日を迎えます。米国のTVチャンネルLogoがこれを記念し、マドンナにちなんだ番組を大量に放送する予定だとのこと。具体的には、8月15日の11:50PMから16日にかけて、以下のプログラムが放送されるんだそうです。

  1. 『ル・ポールのドラァグ・レース』S8とS9の"the Night of 1000 Madonnas"の回
  2. マドンナのMV(計4時間分)
  3. 16日には『ウィル&グレイス』にマドンナがカレンのいとこの「リズ」として出演した回
  4. 『ル・ポールのドラァグ・レース』S10

日本のTV局もどこかこういう企画をやるところがあるといいのに。マイケルがいなくなり、ホイットニーが旅立ち、プリンスもお星様になった今、ひとりだけ100まで生きそうなマドンナネエさんのお誕生日をたたえましょうよ。


米ドラマ『Pose(原題)』シーズン2は1990年を舞台に

Pose Season 2 Will Time-Jump to the ‘Vogue’ Era

『Pose』の共同クリエイターのライアン・マーフィー(Ryan Murphy)が、同ドラマのシーズン2はシーズン1最終話より1年先の1990年の話になると発表しました。1990年と言えば、マドンナが「Vogue」を発表した年です。このドラマはもともとニューヨークのアンダーグラウンドなダンスカルチャーを描くもので、マドンナは「Vogue」で初めてそのカルチャーをメインストリームの表現に取り込んだ人。そんなわけでVultureが「シーズン2にマドンナ本人が登場する可能性があるのだろうか?」と疑問を呈しているのですが、これ実現したらすごいですねえ。

なお1990年のマドンナのカッコよさをリアルタイムで見てなかった方は、以下をどうぞ。


コスタリカ最高裁、同性婚禁止を違憲と判断

Costa Rica Supreme Court rules against same-sex marriage ban - BBC News

コスタリカ最高裁が国による同性婚の禁止は違憲と判断し、18か月以内に法改正して同性同士の結婚を認めるよう立法府に命じました。フェルナンド・カスティージョ(Fernando Castillo)裁判官は2018年8月8日の記者会見で、たとえ立法府が法律を改正しなくても、18か月たてば自動的に同性愛の禁止が解除されると説明しています。なお、上に貼ったツイートのプラカードのスペイン語はこんな意味です。

ぼくはぼくの国で彼と結婚するよ

Yo me voy a casar con él en mi país

ゲイのネイティブアメリカン女性がカンザス州予備選で逆転勝利

今秋の米中間選挙に向け、2018年8月7日、米国カンザス州で予備選挙がおこなわれ、第3議会地区の民主党下院議員候補にゲイのネイティブアメリカン女性のシャリス・デイヴィッズ(Sharice Davids)氏が選ばれました。

もし本選で勝てば、デイヴィッズ氏はカンザス州初のオープンリー・ゲイの議員に、そして米国初のネイティブアメリカン女性議員になる可能性があるとのこと。

そういえば今年の中間選挙では女性候補が過去最多になっていて、他の州でもネイティブアメリカン女性やイスラム系女性が下院議員候補に選ばれているんですよね。白人ヘテロ男性による政治がだいぶアレなことになってきて、新しい風が求められているのかも。

サマンサ・ビー、「レインボーのユニコーンに乗ったユニコーンのトランプ」の着ぐるみでショーン・スパイサーをおちょくる

Samantha Bee Crashed Sean Spicer's Book Tour with a Trump Unicorn Rainbow Costume: WATCH - Towleroad Gay News

米国のコメディアンのサマンサ・ビーが、ショーン・スパイサー(Sean Spicer)前米大統領報道官の出版記念パーティーに「レインボーのユニコーンに乗ったユニコーンのトランプ」というややこしい設定の着ぐるみ姿で現れました。実はスパイサーはトランプについて「彼はユニコーンです、虹の上を飛ぶユニコーンの上にまたがっているのです」と形容したことがあり、このことばはスパイサーが今回出した本の中にそのまま収録されているのだそうです。そこでサマンサは、もしそれが本当だったらどんなにアホらしい図になるかを実際にやってみせたというわけ。

だいたいレインボーもユニコーンもLGBTコミュニティを象徴するものなのに、アンチLGBTなトランプをそんな風に形容すること自体がおこがましいわ。それに気づかない(または、気づいてもなおウソをついてる)あたり、スパイサーもさすがはトランプの元側近よね。

『ドラァグ・レース』のコートニー・アクトが11歳のドラァグクイーンにメッセージ

Boy, 11, reveals wearing drag helps him with his confidence - Attitude.co.uk

英国のTV番組『Loose Women(原題)』に出演した11歳のドラァグクイーン、ヴァイオレット・ヴィクセンに、『ル・ポールのドラァグ・レース』シーズン6出演者のコートニー・アクト(Courtney Act )が励ましのメッセージを贈っています。

ヴァイオレット・ヴィクセンは、リオ・ノウクス(Leo Noakes)くんの創り出したドラァグキャラ。お母さんのリアンヌ(Leanne)さんによれば、リオくんは「ぼくは男で、自分が男だということが気に言っていて、ペニスがあるからと言ってドレスを着ちゃいけないってことはない」と言っているのだそうです。誰だって人と違っていていいし、なりたい自分になることで自信がつくというのがリオくんの考えだとのこと。学校でいじめにも遭ったリオくんですが、いじめっ子に対する彼の意見は「誰にも害を与えてなくて、何も悪いことをしていない人を憎むことになんで時間を割くの? いったいいつになったら、受け入れて楽しめるようになるわけ?」だそうです。

コートニー・アクトは、そんな彼を称賛するビデオメッセージを贈っています。要約すると、リオくんはジェンダーを服に当てはめないといけないなんてばからしいということを教えてくれていて、彼の意見は筋が通っているというのがコートニーの意見。あたしもコートニーに賛成だわー。


『Neighbours』にゲイ・ウエディングの場面 豪TV史上初

Neighbours has released a wonderful clip of the first gay wedding on Australian TV · PinkNews

オーストラリアのソープオペラ『Neighbours』が、同国のTV史上初となる男性同士の結婚式の場面を含むトレイラーを公開しました。結婚するのはアーロン・ブレナン(Aaron Brennan)とデイヴィッド・タナカ(David Tanaka)というキャラで、放送は2018年9月3日だそうです。

トレイラーはこちら。


キャメロン・エスポジートとリア・ブッチャーが別離を発表

Cameron Esposito and Rhea Butcher Are Parting Ways | NewNowNext

レズビアンのコメディアン同士の既婚カップル、キャメロン・エスポジート(Cameron Esposito)とリア・ブッチャー(Rhea Butcher)が、「別々の人生を歩むため、しばらく別れる」とTwitterで発表しました。

このカップルはふたりで組んだ仕事もいろいろしていたので、ちょっとびっくり。でもまあ、こういうこともあらあな。

Back to Back [Explicit]

Back to Back [Explicit]

リトアニアのLGBTQ団体オフィスに放火

Lithuanian LGBTQ Rights Group's Office Set on Fire | NewNowNext

リトアニアのLGBTQグループ「Lithuania Gay League」の玄関ドアに2018年8月10日、何者かが可燃性の物質をかけて火をつけました。

警察はこの事件をヘイトクライムとして捜査していないそうですが、同団体のEglė Kuktoraitėさんは、LGLの窓にはレインボーフラッグがあり、オフィスの近くにレインボーの横断歩道もあるので、行き当たりばったりの犯行ではありえないと話しています。

ちなみにリトアニアというのは、ゲイは屍姦者や小児性愛者と同じぐらい悪いとして「ゲイはリトアニアから出ていくべきだ」と言ったペトラス・グラジュリス(Petras Gražulis)が国会議員をやっているところです。

ゲイポルノ男優がウエストハリウッドでヘイトクライムの的に

Men.com and Raging Stallion Performer Wesley Woods Assaulted in Anti-Gay Hate Crime: VIDEO - Towleroad Gay News

ゲイポルノ男優ウェスリー・ウッズ(Wesley Woods)が米国カリフォルニア州ウエストハリウッドで親友と一緒にいたところ、3人の白人から殴打されてけがをしたと話しています。唇と鼻に生々しい傷が残る顔で、彼は以下のようなビデオメッセージを発表しました。

一部訳:

敵はきみを不安にさせたがってる、敵はきみをノーマル(正常)の概念に無理やり押し込みたがってる。ぼくも、きみも、いや人間は誰だって、「ノーマル(正常)」なんかじゃない。人は皆本当の自分でありたいと思いながら、与えられたものを使って、できるかぎり最高の人生を送ってるんだ。隠れるな、自分の居場所を求めて戦え、いつだって自分自身でいろ。

The enemy wants u to be afraid, they want to force you into their idea of normal. I am not, you aren’t, none of us are— “normal.” We live this life the best we can w/ what we’ve been given in hopes of being our true self. Do not hide, fight for your space to exist & ALWAYS be YOU

念のために言っておくと、日本人の多くになぜか支持されている「ノーマルとは異性愛(者)のこと。LGBTはノーマルではない」という考え方は間違いですからね。英語でもスペイン語でもフランス語でも、"normal"という語に「異性愛(者)」という意味はありません。そもそもこの語の語源となるラテン語の"normalis"にも、「異性愛(者)」という意味はありません。この語の意味はあくまで「正常な、健康な、標準の」etc.です。

そして、なぜ現代日本で「異性が好きな人のことを『ノーマル』というのだ」と誤解している人が多いのかというと、19世紀末に西洋の精神医学から出てきた「シスジェンダーの異性愛者(シスヘテロ)こそが『正常で健康で標準的(ノーマル)』なのであり、この枠に入れない者は病気である」という発想が、ねじれたかたちで残ってしまっているから。この「シスヘテロ=ノーマル」説にはつまるところ科学的根拠はなく、この説は性的少数者を「治療」と称して虐待したり、刑務所に送り込んだり、殺したりするのに利用されただけでした。現在、医学・心理学・精神保健のプロフェッショナルの機関で「シスヘテロ=ノーマル」という考え方を支持しているところはありません。少なくとも英語圏で今、そんな人殺しの自己正当化を平気で口に出せるのは、19~20世紀にさんざん行われたようなLGBTの人々への迫害を今でも続けたがっている人だけです。そう、「ノーマルではないから」とゲイタウンでゲイを殴って、上の動画のウッズさんのような怪我をさせるような人だけ。

多数派のセクシュアリティを「ノーマル」と呼ぶのはそれだけ危なっかしいこと(だいたい何を『ノーマル』とし何を『ノーマルでない』とするかを決める権力を誰が持っているかという視座も必要よね)なので、外国語がわからない・辞書をひくつもりもない・古い(19世紀の)知識をアップデートするのも面倒くさいとお考えの日本の性的マジョリティのみなさまにおかれましては、せめて「異性愛(者)」という無害な日本語表現を覚えて、それをお使いになってくださればよろしいのにと思います。「ぽけもんではのーまるはわるいいみのことばではありません!」とかなんとか言い張っても無駄ですよ、ことばには文脈ってものがあるんですから。

ゲイフレンドリーなはずの英ブライトンでホモフォビックな事件頻発

英国のゲイフレンドリーな街ランキングではかならず上位に入る(例1例2)ブライトンで、ホモフォビックな暴力や脅迫が立て続けに起こっています。以下、列挙。

キングスロードのケバブ屋で男性2人を殴打 あごの骨を折る重傷

Police hunt for thugs who broke man’s jaw in Brighton homophobic attack · PinkNews

2018年6月7日、ブライトンのキングスロードにある持ち帰り料理店「シーサイド・ケバブ」で、3人の男が21歳と22歳の男性ふたりに対し「同性愛に関する軽蔑的な発言」("derogatory comments about homosexuality")をしました。3人は21歳男性を殴打してあごの骨を折り、顔面に縫わなければならないほどの切り傷を負わせたほか、22歳の男性の顔にも軽いけがをさせたとのこと。サセックス署は容疑者らはロンドンから来たと考えており、防犯カメラの映像を公開して情報を求めています。

子連れの女らがゲイとみなした男性を罵倒 ワインの瓶を後頭部に叩きつける

Asda shopper smashed over head with bottle of wine in homophobic attack | The Argus

2018年8月4日、ブライトン・イベントから帰る途中だったオーウェン・サイアド(Owen Syred, 52)さんをゲイだと考えた子連れの女ふたりが、「太ったオカマ」「太った変態」などと言ってサイアドさんをののしり、スーパーの中までつきまとって暴れ、ワインの瓶を頭に投げつけました。サイアドさんはこのため左耳が聴こえなくなったと言っています。

電車内のブライトン・プライド参加者を刺すと脅した男を逮捕

Exclusive: Man threatens to stab ‘ungodly’ Brighton Pride attendees in horrific anti-gay tirade · PinkNews

2018年8月5日、ブライトン・プライドから帰る人々で満員の電車内で男が車内のゲイを全員刺し殺すと発言し、鉄道警察に逮捕されました。男は「オカマをオカマと呼んでなぜ悪い」「おまえらは恥だ」「くたばれ」などと言い連ねたのち、ゲイは殺されて当然だから、今からナイフを取り出しておまえらを刺す、刺してから正当防衛と主張するなどと叫んでいたとのこと。

男と同じ車両に乗り合わせ、Twitterに上記動画を投稿をしたジャーナリストのベンジャミン・バターワース(Benjamin Butterworth)さんは、PinkNewsに対し以下のようにコメントしています。

「ブライトン・プライドはとても楽しかったし、ブリトニーを見ながら過ごした夜を台無しにするのはとても難しいです」と彼は語った。

「でも、わたしは間違いなく怖かったし、ほとんど泣きそうになりました。人はよく、『どうしてまだプライド・イベントが必要なの?』と訊くものですが、

プライドを祝った後、ゲイは殺されて当然なんだと言われることなく電車に乗って家に帰ることすらできないというのは、問題があるってことなんですよ」

“I had a great time at Brighton Pride and it’s pretty hard to ruin a night spent watching Britney,” he said.

“But I was definitely scared, almost crying.

“When you can’t even get the train home from celebrating Pride without being told you deserve to be killed for being gay, there’s a problem.”

ここで言う「ブリトニー」とは、今年のブライトン・プライドに出演していたブリトニー・スピアーズのことです。彼女が来ることもあってか、今年のパレードには30万人以上の人が集まったと言われています。ひょっとして、ゲイがたくさん集まるところにはホモフォーブもたくさん集まるってことなの?