石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

コロンビアでゲイ差別に抗議するキス・マラソン

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南米のコロンビア共和国のショッピングセンターにいたゲイカップルが、「子供の前でわいせつ行為をした」と言いがかりをつけられ、暴力をふるわれるという事件が起こりました。これに抗議するためのキス・マラソン("besatón")が4月17日に開催され、多くの人が参加しました。

詳細は以下。

www.wradio.com.co

このカップル、ニコラス・テレス(Nicolás Téllez)さんとエステバン・ミランダ(Esteban Miranda)さんは、同国ボゴタのアンディーノ(Andino)というショッピングセンターで、男に「子供の前でわいせつ行為をした」などとして非難され、暴力をふるわれたと言っています。ふたりがどんな暴言を浴びせられたかについては、以下の動画がわかりやすいと思います。

テレスさんとミランダさんを攻撃したのは、上の動画の0:15あたりで登場する丸刈り頭の男性(のちにペドロ・コスタ/Pedro Costaという人物だと判明)。コスタ氏は、この場面でまず「おまえには影響はないだろうが、こっちにはあるんだよ。だから許さんぞ。こっちには子供がいるんだからな」と叫んでいます。

テレスさんとミランダさんによれば、ふたりはただこのショッピングセンターでハグをしていた(estaban abrazados)だけなのに、コスタ氏が彼らをペドファイルのレイピスト呼ばわりして近づいてきたのだそうです。なんでもコスタ氏の見解では、

  1. ふたりは子供の前で「わいせつ行為」をしていた
  2. 子供を見て興奮するのだからペドファイルだ

ということになるのだとか。ちなみにテレスさんとミランダさんの弁護士が後ほど発表したところによれば、店内の防犯カメラの映像では、コスタ氏の言うような行為は「まったく見られなかった」とのことなんですけどね。上の動画で、このゲイカップルから「どうしてわたしたちが体を触り合っていたなんて言うんだ? そんなことはしていないのに」と問われたコスタ氏は、「おれたちが見たからだ。おれたちは見た。おれたちだけじゃない、たくさんの人が見た」と答えていますが、誰なんでしょうかね、その「たくさんの人」って。

テレスさんらはこのとき暴言だけでなく肉体的な暴力もふるわれ、店員たちが守ってくれたと話しています。なおW Radio Colombiaによると、現場にかけつけた警官はこのカップルを守るどころか、「秩序を乱すふるまい」などを理由にふたりに罰金を科したとのこと。

この事件はソーシャルメディアで大きな反響を呼び、2019年4月17日午後6時、300人以上の人々が同ショッピングセンターの前に集まって、差別に抗議するキス・マラソン("besatón")を開催しました。以下、写真と動画をどうぞ。

↑プラカードの意味は「オカマ(訳注:男性同性愛者を指す"marica"という蔑称をわざと使った表現)だが臆病者じゃないぞ」。

もうね、この↑ツイートに添付されている写真の中の、このプラカードが言ってることがすべてだと思います。

ペドロ・コスタ氏へ
愛はわたしたちの子供たちにとって悪い例ではありません。悪い例は、あなたの無知と、人権に対する差別です。

Señor Pedro Costa:
El amor no es mal ejemplo para nuestro niños. Su ignorancia y la discriminación hacia los derechos humanos sí lo es.

コロンビアって2016年に同性婚を法制化した国なのに、一皮むけばまだこんななのね。もっとも、同性愛者をペドファイルとごっちゃにして攻撃したり、異性同士なら何の問題もない愛情表現を「わいせつ」扱いして叩いたりするというのは米国でも英国でもフランスでも起こり続けていますから、法律がどう変わろうとホモフォーブのすることは同じなのかもしれませんが。根気よく戦っていくしかないよねー。

ちなみにテレスさんとミランダさんは今回こうむった差別とけがについて訴えを起こしており、もし検察局がこの出来事を差別だと判断すれば、加害者には1年から3年の懲役刑が科せられる可能性があるとの由。しばらくスペイン語圏のニュースを注意して見ておこうと思います。