- 作者: 石見翔子
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2006/09/27
- メディア: コミック
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ちょっと切ない姉妹百合4コマ
すごく良かった! ひとことで言うなら「姉妹百合」に入る漫画だと思いますが、妹キャラ「鈴」の愛らしさや、おねいちゃん命なところや、ほんのり哀しくていじらしいエピソードなどが素晴らしい。4コマとしてきちんと笑える仕上がりになっているところもナイス。早く2巻が読みたいです。
鈴のネコミミについて
この漫画のあらすじを、「主人公・高村楓(15歳♀)にある日突然できた双子の妹『鈴』は、なんとネコミミ少女だった!」――と説明すると、「何その『突然できた妹』、しかも『ネコミミ』って。手垢のついたご都合主義の萌え漫画?」と思われそう。でも、違うんです。鈴のネコミミにも、突然現れたことにも、おねいちゃんを好きで好きでたまらないことにも、ちょっと哀しくて深い意味があるんです。そこがこの漫画の最大のポイントなんです。
4コマギャグ漫画でありながら、お話のそこここでごくさりげなくその「ちょっと哀しくて深い意味」を示しているところがとてもうまいと思いました。あと、オタクの委員長というキャラを使って、「萌えアイテムとしてのネコミミ」もちゃんと話に登場させるあたりも面白いですね。
ラブラブ要素について
鈴は本当に楓のことが好きで好きで、毎晩ベッドにもぐりこむわ、首筋を甘噛みして起こすわ、トイレの中までついて来ようとするわ、それはもう大変です。恋愛というにはちょっと違うのですが(そしてその理由も前述の『ネコミミの意味』に絡んでくるのですが)、その大好きっぷりには思わず目を細めてしまいます。
周囲の人々がそれをまったく止めようとせず、逆にあんなベッド(p66)を用意してしまうとか(楓の母)、「不純異性同性行為の禁止 やるならバレないようにしろよー」(p53)と言い放つとか(先生)しているあたりも面白いですね。特にお母さんの、お風呂のエピソードでのあの発言(p110)がみょーに意味深で、笑いました。
まとめ
恋愛話ではないものの、姉妹ラブラブ度では『貧乏姉妹物語』(かずといずみ、小学館)に、いちゃいちゃほのぼの系の和みっぷりでは『さくらの境』(竹本泉、メディアファクトリー)に勝るとも劣らない良作だと思います。なるべく長く連載を続けてほしい作品ですね。