- 作者: 望月菓子
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2009/03/27
- メディア: コミック
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百合方面は偏見ダダモレ、画力も今ひとつ
人工知能『アプリガール』たちを教育する女子校教師の悪戦苦闘を描くコメディ。新たにボーイッシュな百合キャラが出てきたのはいいんですが、「女が好きな女=セクハラ加害者」という陳腐なパターンが芸もなくなぞられているところにうんざり。同性愛が「そっちのシュミ」呼ばわりされているところにもうんざり。おそらくシュールでエロティックなギャグ路線を狙っているのだと思いますが、画力がそれに追いついていないところも残念でした。
「女が好きな女=セクハラ加害者」という陳腐なパターン
ボーイッシュな新キャラ「蘇芳」(すおう)が女好きだという設定まではいいんですが、その蘇芳が
などと言って嫌がる相手の胸を無理矢理揉んだりしている(p. 49)ところにげんなり。「百合的スキンシップ」イコールセクハラなんですかー、へーほーふーん(棒読み)。ちなみにこのキャラは他の場面でも熱心にセクハラを繰り広げており、うんざりするほど陳腐な「レズビアン=相手かまわず発情するセックスモンスター」というステレオタイプを再生産してくれています。2009年になってもまだこんな作品を読まなきゃならないとは。女子校特有の百合的スキンシップをしようじゃないか!!
性的指向は忌み語ですか
番長キャラの「深緋」(ふかひ)が
と叫ぶ場面(p. 127)が登場。言うまでもなく、「そっちのシュミ」とは同性愛を指しています。しかし、これまでにも何度か書きましたが、性的指向は趣味とは別物です。また、「同性愛」とか「レズビアン」とかいう語を避けてわざわざ遠回しに形容するのは、結局同性愛を「忌み慎むべきこと」「嫌い避けるべきこと」とする価値観の表れだと思います。繰り返しになりますが、2009年になってもまだこんな作品を読まなきゃならないとは。深緋さまはそっちのシュミはねぇー!!
狙ってる路線はわかるんですが
どうやら「シュールでエロティックなギャグ漫画」にしたいらしい、ということはわかるんですが、いかんせん画力が追いついていないように感じます。キャラの数ばかり多くても、肝心の絵がいわゆる「ハンコ絵」ではなんともかんとも。
まとめ
百合漫画としてもギャグ漫画としてもいろいろと残念な1冊でした。1巻はもうちょっと良かった気がするんだけどなあ。ホモフォビックなステレオタイプが気にならない方で、ハンコ絵キャラのエロネタに萌えられる方ならまた違った感想になるかもですが、あたしには合いませんでした。