- 作者: 真田一輝
- 出版社/メーカー: 芳文社
- 発売日: 2010/05/27
- メディア: コミック
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無難にイベントをこなす1冊。恋愛はほぼ停滞中
弓道部員が主人公の百合4コマ、第5巻。秋穂と水夏の仲は今回ほとんど進展がなく、定期テスト・避難訓練・マラソン大会などのイベントを穏当にこなしていく内容となっています。その分、暁と夕のバカップルが頑張ってはいるんですが、果たして今後メインカップルをどうくっつけていくのか、あるいはそもそもくっつくのかどうかが気がかりなところです。ちなみにギャグはこれまでと同じく考えオチがメインで、手堅く笑わせてくれます。
秋穂と水夏に進展なし
秋穂がおおっぴらに欲望や恋愛感情を表明している一方で、水夏はそれを器用にかわすというか、いなしている感じがします。彼女にとって秋穂が「大事な後輩」(p. 69)であることには間違いないんですが、それ以上には踏み込まず、微妙に距離を取っている感じ。ぶっちゃけ停滞期な感じ。水夏は秋穂と違ってどストレート(に見える)なキャラだけに、今後いかにして秋穂とくっつけていくのか、もっと言うと果たしてこの2人がくっつくのかどうかがちょっと心配です。
もともと『落花流水』の最大の面白みは、秋穂の暴走する恋心にあったと思うんですよ。いっそ最後までカップル成立させずに秋穂の悶々を追い続けるという手もあったと思うんですが、2〜4巻でふたりの仲をやや進展させた以上、今さらそっちに舵取りもしづらそう。となると両想いに持って行くしかないんですが、そうするとそもそも水夏の側は恋愛感情が希薄だというジレンマにぶち当たるわけで、今回の停滞ムードはそのせいかも。
あともうひとつ気になるのが、この作品では暁と夕の仲を形容するにあたって「姉妹とか夫婦とか」という言い回しこそ出てきても、「恋人」という表現は決して用いられないこと。ひょっとしたら、この作品内では女のコ同士のあからさまなガチ恋愛は禁忌というか「存在しないこと」扱いなんでしょうか。だとしたら、メインカップルの関係が今ひとつ煮え切らないのも無理はないかも。
とは言え、5巻あとがきには「更に仲良くなるステップを色々考えてあります」とありますから、上記は全部杞憂に過ぎないかもしれません。ちなみに絵づら的には今回も膝枕あり、ちゅーあり、妄想上のラブラブ同棲生活ありなので、百合百合な絵で萌えたい方にはよろしいんじゃないかと思います。
その他いろいろ
- 弓道部ネタが減って、単なる学園ものっぽくなってきたところがちょっと寂しいかも。
- 保健の先生がいい味出してました。
- ギャグ要素は今回も不足なし。気軽に読めてさっくり笑えます。
まとめ
4コマギャグ漫画としてはじゅうぶん面白いんですが、百合ものとして見た場合、水夏の態度がいつまでも中途半端なところがひっかかる感じです。別に無理やりラブラブ恋愛路線に持ち込む必要はありませんが(友情エンドや先輩後輩エンドもありだと思いますし)、だとしてももう少し落としどころが定まってくれたら嬉しいなと思います。