石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ホモフォビックな人はそうでない人より早死にすることが判明(米研究)

A graveyard
A graveyard / Mourner

米国コロンビア大学の研究で、ホモフォビックな人はそうでない人より早死にするという結果が得られたそうです。この研究の論文は、「アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス」2014年2月号に掲載予定とのこと。

詳細は以下。

Study finds that homophobic people die younger - PinkNews.co.UK

この研究をおこなったのは同大学のMark L Hatzenbuehlerさん。20226人の調査対象を1988年から2008年にわたって調べたところ、同性愛者に対する偏見が強い人の平均余命は、そうでない人の平均余命より2.5年短いとわかったのだそうです。

なお、同性愛への偏見度の判定に用いたのは、以下の4つの質問だとのこと。

  • あなたのコミュニティに、同性愛に賛成するとある本を公共の図書館から撤去すべきだと提唱する人たちがいたら、あなたは撤去に賛成しますか、それとも賛成しませんか?
  • 自分は同性愛者だと認めている男性が大学の先生となることは認められるべきですか、それとも認められるべきではありませんか?
  • 自分は同性愛者だと認めている男性があなたのコミュニティでスピーチしたいと希望していたら、そのスピーチは認められるべきですか、それとも認められるべきではありませんか?
  • ふたりの成人男性の、同性同士の性的関係は、「常に間違いである」、「ほとんど常に間違いである」、「間違っているときもある」、「まったく間違っていない」のうちどれだと思いますか?


  • If some people in your community suggested that a book in favor of homosexuality should be taken out of your public library, would you favor removing this book, or not?
  • Should a man who admits that he is a homosexual be allowed to teach in a college or university, or not?
  • Suppose a man who admits that he is a homosexual wanted to make a speech in your community. Should he be allowed to speak, or not?
  • Do you think that sexual relations between two adults of the same sex is always wrong, almost always wrong, wrong only sometimes, or not wrong at all?

これらに対する回答から、偏見のレベルが高いグループと低いグループに分けて比較したところ、平均余命に差があることがわかったのだそうです。

実のところ、最初元記事の見出しを見たとき、「ホモフォビアじゃなくて、他の要素の影響じゃないの?」と思ったんですよ。同性愛に対する偏見というのは、ジェンダー*1や、エスニシティ*2や、宗派*3などさまざまな条件によって違ってくるものなので、むしろそういう要素が平均余命に関与しているのではないかと反射的に思ったんです。しかし元記事によると、この研究ではそうしたファクターを取り除くため、ジェンダー、人種偏見、宗教などの変数を調整した上で平均余命を比較しているとのことです。それでもやっぱり、ホモフォビアが強いグループの方が早死にだったというわけ。

ちなみに同研究によれば、同性愛への偏見は「心血管系疾患による死亡リスクの増加と関連していた」とのこと。なぜこのようなことが起こるのかについてはまだわかっておらず、怒りや高血圧などが関係しているのではないかと推測されているそうです。

そう言えば、日常ストレスは虚血性心疾患の危険因子なんですよね、たしか。だとすると、日々の憎悪や怒りの積み重ねがホモフォビックな人々の寿命を削っていたとしても不思議はないのかもしれません。ゲイやレズビアンへの偏見を撒き散らす人というのはオンラインにもオフラインにもたくさんいますが、これからは「そうか、この人たち、2.5年早く死ぬのか……」と思いつつ一歩引いて眺めてみようと思います。