アムステル大学のヘニー・ボス(Henny Bos)博士による研究で、レズビアンカップルの子は異性愛者カップルの子よりも自尊心(self-esteem)が高く、問題行動が少ないという結果が得られたそうです。
詳細はこちら。
Kids With Lesbian Parents Report Higher Self-Esteem Than Kids With Heterosexual Parents: Study
この研究の論文(PDF)はこちら。
この研究では、オランダのレズビアンカップルの子供たち(女子25人と男子26人、平均年齢は15.9歳)を、同じような人口統計プロファイルの(つまり、年齢、ジェンダー、教育、出生国などに差がない)異性愛者カップルの子供たちと比較したとのこと。なお、どちらのグループの子供たちも全員オランダ生まれで、両親もオランダ人です。レズビアンカップルの子供たちはすべて、人工授精で生まれた子。
分析の結果、レズビアンカップルの子供の方が「自尊心」のスコアが有意に高く、「問題行動」のスコアが有意に低いという結果が得られたのだそうです。その他の項目、つまり親子関係や薬物使用、社会不安、個人の幸福などについては、差異は発見されなかったとのこと。
なお、論文共著者のNanette Gartrell氏はハフィントンポストに対し、このような研究は「児童や青年がどう育つかは、親の性的指向より、育て方の質の方がより多く関係している」ということを示していると述べたとのことです。
とすると、これは以前日記で紹介したこちらの研究と関連があることなのかもしれませんね。
「同性愛者は異性愛者より子育てのモチベーションが高く、献身的」米研究で - みやきち日記
今回のオランダの研究は調査人数も多くないし、質問紙法(厳密には、『紙』ではなくパスワードつきのWebサイトでオンライン回答してもらったそうですが)による自己申告を分析したものでもあるので、この結果だけで「レズビアン家庭の子供は全部こうだ」と断定することはできないと思います。しかし、根拠もなしに適当に語られる「親が同性愛者だと子供がかわいそう」論への反駁にはなりますよね。こうした研究が積み重ねられていくことで、偏見まみれの「ぼくがかんがえたどうせいあいしゃ(の、かぞく)」像がどんどんひっくり返されていくといいと思います。