ウガンダで反同性愛法の実現を熱心に呼びかけていた牧師が、こともあろうにその反同性愛法に違反したとして告発されました。この牧師が教会でゲイポルノを見せたり、ゲイセックスについて生々しく語ったりしていたことが、同性愛を促進したとみなされた模様。
詳細は以下。
Uganda preacher who demanded anti-gay law may be charged under anti-gay law | Gay Star News
今回告発されたのは、以前から同性愛嫌悪で悪名をとどろかせていたマーチン・セセンパ(Martin Ssempa)牧師。この人知ってる。4年前にAFPBB Newsがこんなニュースを配信してましたから。
【2月19日 AFP】同性愛行為が違法とされているウガンダで、キリスト教牧師が17日、教会の中で同性愛のポルノ映像の上映会を行い、反同性愛法のさらなる強化を訴えた。
「同性愛について、寝室の中でのことは個人的な問題だなどという議論がある。だが、実際に何が行われてるのかあなた方は知っているか?」
首都カンパラ(Kampala)にある福音派教会のマーチン・セセンパ(Martin Ssempa)牧師は、300人が集まった満員の教会でこう訴え、同性愛者のスカトロ描写の写真などをスライドで見せた。「オバマ(米大統領)がアフリカにもたらそうとしているのは、これなのか?」
セセンパ牧師の念願かなって、ウガンダでは2014年2月、反同性愛法が成立。この法律では一部の同性愛行為は終身刑とされ、また自分が同性愛者ではなくても、同性愛を支援すれば禁固刑の対象となります。
しかしながらこのセセンパ牧師、ゲイへの憎悪を煽るためにやっていたのは、教会でのポルノ上映だけではなかったんですね。今回彼を告発したムバララ科学技術大学のポール・カリーサ(Paul Kaliisa)氏によると、この牧師はこんなこともしていたようです。
- 朝のTV番組にキュウリやニンジン持参で出演し、レズビアンのマスターベーション法について語った
- どこにでもゲイ男性の画像を持って行った
- 同性愛者はお互いの肛門を「アイスクリームのように舐める」と説明していた
カリーサ氏は、セセンパ牧師は同性愛のことで「頭がいっぱいである」(obsessed)とし、彼が提供した知識のせいで人々が「男同士でセックスできるのだ」と気づいてしまうだろうと憂えています。
今やホモたちはセセンパが彼らに呪いよりも祝福をもたらしていることがよくわかって微笑んでいるに違いない。知ってか知らずか、セセンパは彼らに露出の機会を与えているのだ。彼は無料でホモたちを宣伝してやり、自分が戦おうとしている相手を増やしたのだ。
The homos must now be smiling well knowing that Ssempa is more of a blessing to them than a curse. Whether knowingly or unknowingly, he is giving them exposure. He gives them free adverts and he has created more of the same thing he is trying to fight.
どう考えてもセセンパ牧師のゲイ知識はポルノから得た偏りまくったもののようですし、ゲイは「宣伝」によって増えるものではないという点で、カリーサ氏の意見も見当外れではあります。だとしても、あれだけ同性愛者への憎悪を煽っていた人物が、自ら切望した反同性愛法で裁かれそうになっているというのはあまりにも皮肉ですな。自業自得とはこのことか。
Gay Star Newのコメント欄でも指摘されていますが、この牧師さん、実は隠れゲイだという可能性もありますよね。やたらと熱心に同性愛を否定したがる人が実はクロゼットなゲイだったというケースは、枚挙にいとまがありませんから。アンチゲイな議員が空港で男性相手に不埒な行為をして逮捕されたとか、ゲイを治すという触れ込みの医師が男性への性的暴行で告発されたとか、あまりにもよくある話ですし。もしもセセンパ牧師がこのパターンに当てはまるのだとしたら、彼に必要なのは法の裁きではなく自己受容だと思うのですが、あのウガンダで果たしてそれは可能なのかしら。いったいどうなるのか、続報が待たれます。