石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

グルジアの男性2人、IDAHOTの日に互いをゲイだと思い込み喧嘩

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5月17日は国際反ホモフォビア・トランスフォビアの日(略して"IDAHOT"。旧名は"IDAHO")。この日、グルジアの大聖堂の前で互いをゲイだと思い込んで喧嘩を始めた男性2人の動画がネットで話題を呼んでいます。

詳細はこちら。

Anti-gay thugs attack each other thinking the other is gay | Gay Star News

グルジアでは宗教指導者たちが、EU加盟の必須条件である反差別法を「同性愛のプロパガンダ」として批判しています。同国の正教会は、LGBT支持者が国際反ホモフォビア・トランスフォビアの日に活動するのを妨げようと、5月17日を「家族の日」と命名していました。

5月17日当日、正教会率いる何千もの人々が反差別法への抗議として首都トビリシを行進することになっていました。幸い、LGBT活動家との衝突はほとんどなかったとのこと。しかしながら、別種の衝突ならありました。トビリシの至聖三者大聖堂の前で、アンチゲイな男性2人がなぜかお互いをゲイだと思い込み、胸ぐらをつかんで喧嘩をおっ始めたんです。


დაპირისპირება აქციაზე - YouTube

Gay Star Newsによると、どうも紫の服を着た男性が、もう一人をゲイだと思い込んで因縁をつけたらしいんですね。動画内でこの2人は互いに‘metraki’(英語だと"faggot"、つまり日本語だと『オカマ』に相当する語のよう)と罵り合っているとのこと。

いったい何と戦ってるんですか、この人たち。「家族の日」って、人間不信と暴力のプロパガンダだったの? 差別に反対し平等を訴えるIDAHOTの側についた方が、幸せになれるんじゃね?

元記事のコメント欄のこちらの意見が秀逸だと思います。

この人たちが両方合ってるのは皮肉だ。というのは、同性愛嫌悪の男性でもっとも暴力的なのは、心の奥深くでは自分がゲイである可能性がわかっていて、それを隠している人たちだから。彼らが憎しみを噴出させる理由は、それで説明がつく。

Irony they are both right: most violent homophobic men are closets and deep inside know they have gay potential which explains their external hatred.

 

そうそう、早い話が投影同一化ですよね。いや、ゲイ嫌いの人の全部が全部そうだとまでは言いませんよ、もちろん。でも、たとえ異性愛者だって、こんな『遊星からの物体X』みたいな疑心暗鬼状態で暴力をふるいふるわれ生きるより、「差別をやめよう」という側についた方が幸せになれるんじゃないでしょうかね。

参考までにIDAHOTのポスターのひとつをご紹介。意味は「ホモフォビアと戦うのに、ゲイである必要はない」。ほんとにその通りだと思います。