「コロンビアでゲイ差別に抗議するキス・マラソン - 石壁に百合の花咲く」の続報。同国ボゴタの警察が、ショッピングモールで不適切な行為をしたと言われて差別されたゲイカップルに対する罰金を取り下げました。
詳細は以下。
ゲイカップルのペドロ・エステバン・カリーヨ(Pedro Esteban Carrillo)さんとニコラス・テイェス(Nicolás Téllez)さんは2019年4月14日、ボゴタのショッピングモールで手をとりあってハグしていたところ、他の客から「子供の前で『わいせつ行為』をした」と罵倒され暴力を受けました。ふたりに暴力をふるったのはペドロ・コスタ(Pedro Costa)という男で、彼はこのゲイカップルをペドファイルのレイピストと呼んで非難していました。現場に駆け付けた警官は同カップルの話を聞かず、彼らを「露出症」だとして罰金を科しました。
事件は大きな反響を呼び、4月17日には300人以上の人々がこのショッピングセンターの前でホモフォビアに抗議するキス・マラソン("besatón")を開催しました。
“A nosotros no nos van a devolver al clóset”.
— AJ+ Español (@ajplusespanol) 2019年4月20日
En Bogotá, un hombre atacó a una pareja gay acusándolos de 'pedófilos'... y así desencadenó una oleada de solidaridad hacia ellos. pic.twitter.com/3CoD4Epnka
そして5月23日、警察のペドロ・フランシスコ・ロドリゲス(Pedro Francisco Rodríguez)警部が、エステバン・カリーヨさんに対する召喚状を破棄すると発表したのだそうです。理由は大きく分けてふたつあり、ひとつは十分な証拠が確認できなかったこと。ショッピングセンターの防犯カメラの映像では、「不適切な行為」だあったとは証明できなかったのだそうです。もうひとつは、警察官が口頭の調査で一方の話だけを聞き、このゲイカップルには証言の機会を与えていなかったということ。これは憲法に明記された適正手続きの権利の侵害にあたり、したがって処罰も無効だというわけ。
ハグしてだけで暴力をふるわれて罰金までむしられたんじゃ踏んだり蹴ったりだから、まずは処罰が取り消されてよかった。それにしてもコロンビアって反差別法もあれば同性カップルが公共の場で愛情表現をする権利を認める判決だって出てるのに、それでもまだこんな事件は起こるのねえ。戦わないとマイノリティの権利は常に削り取られるってことよね。