石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『咲-Saki-(3)』(小林立、 スクウェア・エニックス)感想

咲-Saki- 3巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックス)

ケレン味と百合っぽさ増量中

美少女麻雀バトル漫画、第3巻。お話は県予選決勝の中堅戦まで。キャラ数が増えても混乱はなく、むしろキャラたちの個性がお話に力強さを与えています。百合なエロティシズムも快調だし、ケレン味あふれる演出もユニークで、どんどん面白くなってます。

キャラの描き分けがくっきり

萌え美少女が乱立する漫画で何が難しいって、キャラの描き分けです。ヘアスタイルや語尾だけ変えてお茶を濁す作品や、それすら失敗してぐだぐだになっている作品のなんと多いことか。しかし、『咲-Saki-』は違います。麻雀の打ち方に各人の性格を反映させ、強みと弱みを見せていくという手法がばつぐんにうまいんですよ。

戦法だけでも速攻派あり理論派あり亜空間殺法派あり、さらに主人公に代表される異能派もありとさまざまです。打っている間の座り方や手さばきなども描き分けられている上、それぞれが麻雀に対して抱いている欲求やモチベーションも多種多様。キャラ数が増えてきてもお話がごちゃごちゃせず、むしろ吸引力を増しているのは、このあたりに手抜かりがないからじゃないかと。

力業の百合展開

雀荘の徹マンでもないのになぜか会場に仮眠室があり、なぜかふかふか布団が敷いてあり、なぜか咲と和がそこで真っ昼間から同衾するというミラクル展開が。力業すぎるだろ。でも面白いから許す。咲の意外な積極性にも心躍っちゃったからなお許す。

このあたりからお話全体に、「そのものズバリの表現はなくても性的な暗喩がいっぱい」という独特の百合エロスタイルが確立され始めているような気がします。上記の同衾シーン以外でも、藤田プロから衣への過剰なスキンシップとか、透華に手錠をかけられる一の姿とか、いちいち淫靡で楽しすぎ。1巻からこっち、尻上がりに百合っぽさが増してますねこの漫画。

ケレン味の楽しさ

県予選のおそらくはラスボスである天江衣の見せ方が、ケレン味多めで大変ユニーク。彼女の通常モードと戦闘モードの落差の激しさは、まるで一瞬で美女から鬼女へと切り替わる文楽人形のよう。スイッチが切り替わる際の「目から稲妻を発する」「漢語を多用する台詞回しに変わる」というベタな演出も、読者に「大ボラに騙される楽しさ」を与えてくれます。

まとめ

個性豊かなキャラたちが快調にストーリーを転がしていく巻。手法は多少強引なれど、百合な淫靡さも増してます。はったりを利かせた演出は多少人を選ぶかもですが、漫画の魔法に積極的に騙されたい読み手にとってはむしろごちそうなんじゃないでしょうか。

咲 Saki (3) (ヤングガンガンコミックス)

咲 Saki (3) (ヤングガンガンコミックス)