Appeal for Rights / Taipei Parade 2014 / Luke,Ma
台湾内政部が2014年12月2日に出版した「現代國民婚禮」というパンフレットの中で、「同性婚は誰もが追求することのできる生得的な権利」と述べています。
詳細は以下。
Taiwan interior ministry: gay marriage is 'an inborn right' | Gay Star News
この「現代國民婚禮」とは、「結婚式を予定している同胞のために新しい考え方やアプローチを提供する」という目的で2年間かけて編集・製作された、全90ページのパンフレット。以下、同性婚に関する部分について、Gay Star Newsに掲載されている英訳からさらに日本語訳してみます。
男女2人の間の結婚とは別に、多様なジェンダーの概念や同性愛は、現代において平等な敬意と扱いを受けるべきものである。
わが国の婚姻制度は異性愛を基礎として構築されており、民法および憲法裁判所の解釈では「結婚とはひとりの男性とひとりの女性の間で構成されるもの」と認識されているけれども、パートナーを持ち結婚することは、あらゆる人が追求できる生得的な権利なのである。
'Apart from marriage between a man and woman, diverse gender concepts and gay love should also, in modernity, receive equal respect and treatment.
'Although our country's marriage system is built on the foundation of heterosexuality, and civil law and the constitutional court's explanations recognize 'marriage as constituted of a man and a woman,' to have a partner and marriage is an inborn right everyone can pursue.'
わが国では同性婚はまだ法的効力をもたないが、すべての人は同性愛者の友人の判断に敬意を払うべきである。誰でもやはり、自分の気持ちを家族や友人に祝福されたいと望むものだから。
'Although gay marriage in our country currently does not yet have legal effect, however, everyone should give respect to the decisions of their gay friends; everyone hopes to have their feelings blessed by their family and friends just the same.'
このパンフレットではさらに、同性婚が法制化されている16ヶ国を、国家が同性カップルの出産、養子縁組、相続などの権利を保護している場所として紹介したりもしているとのこと。
すげーな台湾。
とは言え、内政部がこれだけ進歩的なパンフレットを出版するわずか半月ほど前、同国の法務部は「今は同性婚にふさわしい時期ではない」などと発言しているのだそうで、まだまだ政府全体が同性婚に積極的だというわけではないっぽいです。でも、できたらこのまま進んで行って、アジアのお手本になってほしいなー。もうね、Gay Star Newsのコメント欄のこちらの意見がすべてですよ。
結婚が生殖器ではなく誓約に基づいて決定される国のリストにアジアの国が入ったら、すばらしいことだろう。
It would be great to have a country in Asia on the list where marriage is determined by commitment, not genitalia.
そうなのよ! もう生殖器のことしか考えてない「結婚」論はうんざりなのよ! 「神様が凸と凹を作ったからー」とか、「おしべとめしべがー」とか、そこから強引にこじつけられる「自然/本能」説とか、もうおなかいっぱいよ! そんなに生殖器と本能が好きなら、春先の犬山モンキーセンターに行ってごらん。サル山のニホンザルたちが、「数秒で交尾してはまた別の異性とまぐわう」というスペクタクルな大乱交祭りを繰り広げてるから。あれこそまさに単純明快な凸と凹とのジョイント作業なのだけれども、きみたちのいう「結婚」とはあれなのか。違うだろ。そういうことにはたと気づく国が、そろそろアジアからも出て来ていい頃だと思うのね。
だいたい、異性愛者(の中の、偏見持ちの人)が同性愛者の生殖器関連のことばかり夢中で考えている(先日のアンチゲイ牧師さんの『スタバのラテにはゲイの精液が入っている』妄想がいい例だわ)間に、当の同性カップルは「パートナーが死んだら賃貸マンションを追い出されるかも」「遺産相続できないかも」「そもそも死に目に立ち会えないかも」などと考えていたりするわけで、もうそこに絶望的なまでのズレがあると思うんですよね。いいかげんにシモの話じゃなく、社会的な契約や制度の話をしようよ。というわけで、台湾がこのままアジアの先陣を切って制度改革に踏み出してくれるといいなと思います。後に続く国が、きっとあるはず。