石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『The Fosters』(邦題『フォスター家の事情』)2×06 "Mother"感想

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現時点でシーズン2中No.1の回。これだよ、こういうのが見たかったんだよ!

プレビューはこちら。


▶ The Fosters - 2x06 (July 21 at 9/8c) | Official Preview - YouTube

冒頭に出てきた一見ベタな夢オチのエピソードが、何度もひねりを加えてまさかの結末に結びついていくあたり、みごとすぎる。何度も驚かされ、何度も目頭が熱くなりました。最初に夢の場面を持って来たのは、終盤で「2度目の夢?」と錯覚しそうになるあのファンタジックな展開と呼応させるためだったんだねえ。シーズン1からの伏線や、モチーフの使い方にもびっくり。泣くわ、あれは。

いいフィクションにはふたつの条件があると思うんです。

  1. 観客を驚かせること。
  2. 見る前と見た後で、観客に変化を起こすこと。

「驚かせる」というのは説明不要ですよね。「変化を起こす」というのは、たとえばカンフー映画を観た後鏡の前でアチョーと叫びながらポーズをとってしまうとか、『仕掛人・藤枝梅安』シリーズを読んで大根と浅蜊の鍋を食べたくなってしまうとか、そういうことです。どんな些細なことでも、見終わった(読み終わった)人の心の中に何かを残すだけの力があるもの、それがいいフィクションだと思います。

今回の『The Fosters』は、この両方を満たしていたのではないかと。おそらくあたしは今後一生、ある種のヌイグルミを見るたびにちょっと遠い目になってじんとしてしまうと思います。ちくしょう、やられた。