石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

「ホモフォビックな父がゲイ用出会いアプリを使ってた!」混乱するゲイ少年にRedditユーザがアドバイス

f:id:miyakichi:20150302150406j:plain

クロゼット・ゲイの10代男性が、自分のホモフォビックな父親がゲイ用出会いアプリ「Grindr」を使っているのを見つけたとRedditに投稿。他のRedditユーザがつけたレスの数々が興味深いです。

詳細は以下。

Closeted Gay Teen: "Today I Discovered My Homophobic Dad Is Using Grindr"-The Gaily Grind

この男性、「decidinginbetween」氏による最初の投稿を訳すと、こんなです。

ぼくの「同性愛嫌い」の父親がiPhoneにGrindrを入れてるのを見つけた。父に頼まれて、車にiPhoneを取りに行ったときのことだ。ぼくはまだカミングアウトしてなくて(否認していて/男に興味があって)、自分ではGrindrは持ってないけど、それが何なのかは知ってる。おかげで余計に混乱してる。

Found out that my "Homophobe" dad has Grindr on his iPhone when he asked me to go fetch it from the car. I am still closeted (denial/curious) so i know what Grindr is, even though i don't have it myself. This makes it so much more confusing for me.

これに対してついたレスで、もっとも高い評価を受けているものはこちら。

自分の父親は、ぼくに18歳でカミングアウトされるまで極端にホモフォビックだった。セラピーにかかった後は180度変わって、しまいには地元のPFLAG(訳注:『レズビアン・ゲイの家族と友人の会』)の会長をしばらく務めることになったよ。父はのちに、自分はバイセクシュアルで、ホモフォビアはバイセクシュアルであることにまつわる自己嫌悪から来ていたとぼくに話してくれた。

My dad was extremely homophobic before I came out to him when I was 18. He ended up doing a total 180 after going to therapy and eventually became the president of our local PFLAG chapter for a while. He later told me that he was bisexual and admitted that his homophobia was due to his own self hatred around being bisexual.

考え得る最良の展開はこれでしょうね。もっとも、いつもこんなにうまく行くとは限りませんが。

親へのカミングアウトは慎重にするべきというアドバイスもありました。

Grindrを使ってるクロゼットな既婚男性はひょっとしたら強烈なホモフォビアの持ち主かもしれないから、自分の子がクィアだと家から追い出してしまう可能性がある。慎重に行動しろよ。個人的には、これだけややこしい状況だと、家を出る前にカミングアウトするというのはまずい考えだと思う。

A closeted married guy on grindr might have some intense homophobia going on that he could take out on the queer kid in his care. Tread carefully. IMO coming out before moving out is a bad idea in a situation this complicated.

さらにもっと根本的なツッコミも。

プロフィールは見たか? お父さんは単にお前がGrindrを使ってないか確かめていただけって可能性があるぞ。

Have you seen the profile? It's possible he's just making sure you're not on it.

これは盲点だったわー。なお「decidinginbetween」氏はこの書き込みに対し、「自分もそれは考えたが、それでもやはりなんらかの戦略が必要だと思う」(大意)とレスをつけています。

お母さんにこのことを告げるべきかについてもさまざまな意見がありました。「父親が浮気しているのなら健康上のリスクがあるのだから話すべき」、「アウティングの反動を避けるため、父親と直接話をするまでは母親には教えない方がいい」、「母親はもう知っていて、納得しているのかも」、etc, etc.

でも結局、この状況をすべて一発で解決できる銀の弾丸は、たぶんどこにもありません。「decidinginbetween」氏は最終的に、元書き込みにこんな追記をつけています。

父は否認を続けていて、自分を守ろうとむきになっている。ぼくのセクシュアリティについて聞こうとさえした。母はまだ何も知らず、それがつらい。父はよくあるクロゼットなホモフォーブのままで、ぼくは、よくある、駄目すぎてこれ以上何もできないクロゼットなホモのままなんじゃないか。もしかしたらこれは全部、ぼくが勝手に思い込んでるだけなのかもしれない。ぼくは考え過ぎなのかもしれない。

Dad stood in denial and went on the defensive, even tried to question my own sexuality. Mom still does not know and that pains me. I guess he would still be that closeted homophobe and I; that closeted homo who is too shit to do more. Maybe all of this is just in my head. Maybe i am just thinking too much.

10代でこの状況はきつそうだなあ。

「同性婚を認めなければ(そして『異性と結婚すべき』という社会的圧力をかければ)、同性愛者/両性愛者は異性と結婚して子供を作るはず」と呑気に信じ込んでいる人というのをときどき見かけますが、その手の強制異性愛でむりやり子供を作らせたところで、結局こういう事態を招くだけだと思うんですよね。タイムリーにも最近TVでやっていた映画『アメリカン・ビューティー』を録画して見直したばかりだったので、余計に考え込んでしまいました。

ちなみにIMDbによると、この映画のタイトルである「アメリカン・ビューティー」というのは、「見た目は美しいが根腐れしやすい」という特徴を持つバラの品種名から来ているとのこと。「一見完璧なアメリカのご家庭が、近寄って見れば根っこから腐っている」という皮肉がこめられた題名なわけですが、どうやらこの「根腐れ」、今でもまだ全然なくなっていないっぽいですね。で、それは別にアメリカに限った話じゃないと思うんです。ホモフォビアも強制異性愛も、クソ喰らえだわ。