石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

インド、「不自然な情熱に火をつける」レズビアン映画を禁止

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インドの映画中央検定局(Central Board of Film Certification、CBFC)が、レズビアン要素のある映画Unfreedomを、「不自然な情熱に火をつける」という理由で上映禁止にしてしまったそうです。

詳細は以下。

India censors ban lesbian film, claim it will 'ignite unnatural passions’ | Gay Star News

まずトレイラーをごらんください。本当にこれが「不自然な情熱に火をつける」作品に見えますか?

確かに女性同士のキスや接触こそ登場しますが、扇情的な作品ではないことぐらい、見ればわかるはずだと思うんですが。

Unfreedomは、インドと米国というふたつの国を舞台とし、イスラム教徒のテロリストによる誘拐事件と、見合い結婚を拒否して同性の恋人と一緒になろうとする女性の物語とをパラレルに描く映画。Bangalore Mirrorによれば、Raj Amit Kumar監督は、この作品について以下のように述べているそうです。

この映画は原理主義的信仰という考えに異議をとなえ、インドの厳しい現実である、原理主義的信仰と同性愛とのつながりに疑問を投げかけるものです。

the film challenges the idea of religious fundamentalism and questions its connection with homosexuality which is a biting reality of India.

同監督によると、CBFCは「ヒンドゥー教徒とイスラム教徒の諍いの元になる」「不自然な情熱に火をつける」という理由でこの映画を禁止にしたとのこと。監督はこれを不服とし、映画検定上級審判所(Film Certification Apellate Tribunal 、FCAT) に訴え出たものの、決定はくつがえらなかったのだそうです。Kumar監督は今後、高等裁判所に訴える予定だとのこと。

「不自然」ねえ。同性愛表現を弾圧するための、おなじみの屁理屈よね。

昨今の日本ではなぜか「性的マイノリティからの圧力で表現が萎縮する」論が噴出しているようですが、歴史的に見れば検閲され沈黙させられ続けてきたのは常に性的マイノリティの側です。たとえばミケランジェロの没後、彼のソネットは男女の恋をうたった内容へと改竄されてしまいました。ヴェルレーヌの詩集『オンブル』は、同性愛的な要素があるという理由から、彼の死後100年経つまで「プレイヤッド叢書」の『ヴェルレーヌ全集』に収録されずじまいでした。最近の例では、映画『ブロークバック・マウンテン』が複数の国で上映禁止になったりしてますよね。そうそう、『アデル ブルーは熱い色』なんて、米国(アイダホ州)で上映禁止をくらったはず。圧力をかけられてるのはどっちだって話ですよまったく。

なお、Unfreedomは2015年3月29日から北米で公開され、デジタル配信もされるそうです。DVD化されたら観てみたいな、これ。Amazon.comではトレイラーが公開されているし、たとえDVDが出なくてもそのうちインスタントビデオで観られるようになるかも?