石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

10代の同性愛者・両性愛者が妊娠したり、誰かを妊娠させたりする率は、同年代の異性愛者より高い(米研究)

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※2015年5月20日18:50追記:一部数字のまちがいを訂正しました。

10代の同性愛者・両性愛者が妊娠したり、誰かを妊娠させたりする率は、同年代の異性愛者より高いとする研究結果が、「アメリカン・ジャーナル・オブ・パブリック・ヘルス」誌2015年5月号で発表されました。

詳細は以下。

Study: Gay and bisexual teens twice as likely to get pregnant | Gay Star News

この研究は米国のジョージ・メイソン大学のリサ・リンドリー(Lisa Lindley)氏らが、2005年、2007年、2009年のニューヨーク・シティーの高校生約1万人のデータをもとにおこなったもの。結果として、女子の妊娠率は以下の通りだとわかりました。

異性愛者女子 13%
男性のセックスパートナーしかいない女子 14%
同性愛者/両性愛者女子 23%
男性と女性両方のセックスパートナーがいる女子 20%

続いて、男子が誰かを妊娠させた率はこんな。

異性愛者男子 10%
女性のセックスパートナーしかいない男子 10%
同性愛者/両性愛者男子 29%
男性と女性両方のセックスパートナーがいる男子 38%

これ、ちょっと前におこなわれたカナダの研究でも同じような結果が出てましたよね。詳しくは以下を。

今回の研究結果について、リンドリー氏は、性的マイノリティーの若者の妊娠リスクの高さは、スティグマ、差別、支援の欠如、家族や学校とのつながりの少なさなどに起因していると指摘しています。以下、彼女のことば。

「自分が得たメッセージは、これらの若者たちはしばしば無視されたり、情報や、生殖に関するケア、サービスなどが必要ないとみなされたりしているけれども、実際には間違いなくそういうした情報やケアやサービスが必要だということです」

'The message for me is that these populations are often ignored or assumed to not need information or reproductive care or services and they absolutely do,'

ちなみにこの調査によれば、女子では性交開始年齢が早ければ早いほど妊娠リスクが高く、男子では意に反してセックスしなければならなかった場合に相手を妊娠させるリスクが高くなっていたんだそうです。やっぱり情報や支援の足りなさ、ピア・プレッシャーなんかが、自分や相手を大事にできない行動につながってるんじゃないかなあ。

そうそう、こういうニュースに対する典型的な反応がGay Star Newsのコメント欄にあったので紹介しておきます。

女の子が男と寝たらレズビアンじゃなくて、バイセクシュアルだということになる。両方が好きなんだから。自分の考えでは、この研究には説得力がない。

If a girl is sleeping with men then she isn't a lesbian that makes her bisexual meaning she likes both. This study is invalid in my opinion.

「寝る=好き」ではないということが理解できないお花畑さんって、どこにでもいるんですね。これに対する的確な反論もまた、コメント欄にありました。

それは正しくない。というのは、その女の子は異性愛者になろうと努力していたり、自分の性的指向を見つけ出そうとしたりしているのかもしれないから。

Not true - she might be trying to make herself straight or trying to find out what her sexual orientation is.

ホモフォビックな環境だと、特にそうなりやすいよねえ。自己評価が低いと、自分で自分を大事にしにくいし。

家や学校での「異性愛者であれ」という圧力への対策を講じなかったり、「生殖は異性愛者だけのもの」という誤解のまま、妊娠にまつわる教育や支援を全部ヘテロ向けとしたりしているうちは、LGBティーンが望まぬ妊娠に至るリスクの高さは改善されないんじゃないかと思います。どこの国でもそうだけど、いいかげんに「恋愛」と「セックス」と「生殖」を団子にしてひとまとめにとらえる頭の悪い発想は捨てて、もっと現実を見るべきだよね。