石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ブロッコリーのたとえが秀逸。アンチ同性婚の客に米カメラマンがナイス切り返し

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同性婚支持を表明したため、同性婚反対派の客から予約キャンセルと返金の申し込みを受けた米国フロリダ州のカメラマンが、粋なメッセージを返しました。

詳細は以下。

This photographer had the BEST response to an anti-same-sex marriage client · PinkNews

このカメラマン、クリントン・ブレントウッド・リー(Clinton Brentwood Lee)さんは、この予約客とのやりとりのスクリーンショットをFacebookで公開しています。それによればこのお客さんは女性で、リーさんに結婚写真の予約をしていたものの、「自分と婚約者は伝統的な結婚を支持している」ので「それ以外を支持するところにはお金を払いたくない」、予約金を返してほしいと言ってきた模様。

リーさんの返事はこんな。

実のところ、これ(訳注:キャンセル申し込みのこと)はよいことだと思っております。当社といたしましても、今ではお客様とのお仕事はお引き受けしたくないと考えているからです。これは、お客様が当社とは異なるご意見をお持ちだからという理由によるものではありません。お客様が、自分が同性婚を嫌い、支持していないからといって、自分以外の人も全員同性婚できないようにすべきだとしておいでだからです。これではまるで、自分がブロッコリーが嫌いだからといって、世界中のあらゆる人がブロッコリーを食べないようにと要求するようなものです!

I actually find this to be a good thing because our company would now not like to work with you as well. It's not because you have a different view from us, but it’s because, since you don’t like and support gay marriage, no one else should be able to have it. That’s like me not liking broccoli, and demanding that everyone else in the world should not have broccoli either!

ちなみに、そもそもこのお客さんがサインした撮影予約の契約書には、予約金は返金不可であると書かれているのだそうです。しかも、最初の条項に。リーさんはそのことを説明した上で、「しかし、このお金はわたしのものにはしませんから心配ご無用」と書き、以下のようにつけ加えています。

お客様からの1500ドルは、同性愛者の権利を支援するためにつくられたGLADという団体に寄付することに決めました。寄付と支援のすばらしいきっかけをご提供いただき、厚くお礼申し上げます! お客様のお金がなければ、なし得なかったことでした。

I have decided to donate your $1500 to GLAD, a group created to help and support gay rights. So let me be the first to say thank you very much for your donation and support for this great cause! I couldn't have done it without your money.

GLADとは、米国の法的権利擁護団体「Gay & Lesbian Advocates & Defenders」のこと。結婚は男女間に限るとする連邦法「結婚防衛法(DOMA)」の撤廃や、同性配偶者の遺族給付の権利などを求めて戦ってきたグループです。そこに1500ドル、ということは日本円で約18万円も寄付されてしまったわけで、このお客さん、今頃歯がみしているのでは。

Facebookのこのポストは、6月29日現在で7000以上の「いいね!」を獲得しています。リーさんによれば、「こんなことをすると潜在的な顧客を失う」と言ってくる人もいたものの、全体的に見て、ポジティブな反応が9割だったとのこと。

最後に、(おそらくこの件に関して)リーさんの会社Brentwood PhotographyがInstagramに上げた写真とキャプションを紹介しておきます。

キャプション訳:「憎む人は何をどうしたって憎むもの。愛ある人は、何があろうと愛するもの。当社は通常通り営業しています。これからもいつも通りだよ! 世界を旅したり、うちの犬の写真を撮ったり。他の人々を微笑ませたり。時には人々を不快にして、考えさせたり ;)」。