石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トイザらス、英オンラインストアでおもちゃの男女別区分廃止

Toys R Us
Toys R Us / JeepersMedia

玩具量販チェーンのトイザらスが、英国のオンラインストアでおもちゃの男女別区分を廃止しました。ちなみに米国や日本では、依然として「男の子」「女の子」のカテゴリーが使われたままです。

詳細は以下。

Toys R Us to scrap ‘boy’ and ‘girl’ labels on toys · PinkNews

おもちゃや本を不必要に男女別に分けることに反対している英国の団体"Let Toys Be Toys"は、トイザらスの今回に動きに対し「すばらしいニュース」とコメントしています。同団体は2年前にトイザらスUKと話し合いをしており、トイザらスはその時点でジェンダー別の表記を変更することや、カタログをもっと包括的にすることなどを約束していたのだそうです。それが2015年の今、実現したというわけで、Let Toys Be Toys"は以下のように述べています。

これは、すべての子供たちに対してもっと分け隔てがなくなるようにするために現実的な取り組みがなされたということを意味しています。この結果、今年のクリスマスにたくさんの親子が幸せになれることは間違いありません。

This shows a real effort being made to be more inclusive to all children and the results will no doubt make a lot of children and parents happy this Christmas.”

冒頭にも書きましたが、これは少なくとも現時点では英国だけの取り組みらしく、日本と米国のオンラインストアでは従来通り「男の子のおもちゃ("Boy's Toys")」「女の子のおもちゃ("Girl's Toys")」というカテゴリーが使用されています。全世界規模で一斉にカテゴリー廃止しちゃえばよかったのに。

個人的にはあたし、日本のスーパーや百貨店のおもちゃ売り場の、特に「女の子のおもちゃ」コーナーが怖くて近づけないんですよ。なんなのあのピンクの暴力。「ピンク! ピンク! 女の子はピンクが好きなはず!!!!!! そしてキッチンが大好きなはず! 料理とおしゃれとコスメが好きで好きでたまらないはず! 職業だって『女らしい』ものしか興味がないはず!! そうじゃないと男に好かれないぞおおおお結婚もできないぞおおおおこれこそがおまえらの興味を持つべきものなのだあああああ」っちゅー呪いのようなものを勝手に感じてしまって、比喩ではなしに鳥肌が立っちゃうんですよ。

だいたい自分はレズビアンなので、異性に好かれるために「(男性が喜びそうな)女らしさ」を追求する必要など寸毫たりともないわけです。それなのに、ジェンダーが女だというだけで自動的にあのクソ甘ったるいヘテヘテドリーム世界に放り込まれるというのは我慢なりません。幸い自分には男きょうだいがいたので「お兄ちゃんと同じのがいい!」の一点張りでミニカーも変形ロボもニンジャの刀も買ってもらえたんですが、もし女の子のひとりっ子だったらどうなっていたかと思うと眉間に皺が寄ってしまいます。いや、そりゃ自分だってお人形も買ってもらった(それはそれで気に入っていた)し、着せ替え遊びもままごとも楽しくやってたんですが、それ「しか」許されない、または用意されていない世界というのは嫌なんですよ。で、それは異性愛者にとってもそう変わらないんじゃないかと思うんですよね。「女の子のおもちゃ」が暗示する「おしゃれと料理に精を出して王子サマと結婚して赤ちゃんを産むの♥」というルート以外の人生を望んでいる異性愛者女子なんて、いくらでもいますから。

そんなわけで自分はトイザらスの今回の試みを大いに支持しています。他に追随する会社、出て来ないかなー。