米アンチゲイ団体「ワン・ミリオン・マムズ」(One Million Moms)が、またも敗北。ゲイカップルの養女について書いた雑誌を批判したために、かえってこのカップルが手がける里子支援運動にたくさんの寄付金が集まったのだそうです。
詳細は以下。
ことのおこりは、2015年11月、米雑誌「アメリカン・ガール」が、ゲイカップル家庭の11歳の養女、アマヤ(Amaya)さんに関する記事を載せたことにあります。記事ではアマヤさんの視点から、彼女の現在の幸せな生活と、里親宅を転々としていたころのつらい体験、そしてその体験に心を痛めたパパたちが始めた「Comfort Cases」という里子支援運動などについて書かれていました。
これに腹を立てたのが、アンチゲイ団体ワン・ミリオン・マムズ。「父親がふたりいる家庭を描くことで、アメリカの子供たちを鈍感にさせようとしている」、「この記事が子供の目にさらされないよう注意すべき」などとして、同雑誌と親会社のマテルが「中立」を保たなければ雑誌も製品も買わないと主張していました。
ワン・ミリオン・マムズの誤算は、TVなどのメディアがこのバックラッシュを大きく報じたために、アマヤさんのパパたちの里子支援運動もまた広く知れ渡ったこと。このComfort Casesというチャリティは、里親宅で暮らす子供たちに新しい衣類や毛布、ぬいぐるみ、歯磨きセットなどを詰めたバックパックをプレゼントするというものなのですが、おかげで寄付金が去年の300パーセント増しになったのだそうです。これで10000個以上ものバックパックを子供たちに贈れるようになったとのこと。
ワン・ミリオン・マムズのボイコットって成功したためしがないんですが、今回はそれが回り回ってはからずも人助けになってしまったという点が新しいかなと。それでなくともこの団体、もはやアンチゲイグループというより、「今こういうゲイフレンドリーな情報/キャンペーンがあります」ということを世に知らしめる広報団体に近づきつつあると思うんですが、彼女たちがそれに気づく日はいつなんでしょうか。
さて、作業にいそしむComfort Casesのボランティアの皆さんの様子はこちら。ここから子供たちのもとに、バックパックが送られていくんだよ!