料理の宅配サービス「ウーバーイーツ(Uber Eats)」が、『クィア・アイ』美容担当のジョナサン・ヴァン・ネスをCMに起用。アンチLGBGQな団体に噛みつかれるも、CMを取り下げる意志はないという趣旨の声明を出しています。
詳細は以下。
ジョナサン・ヴァン・ネスは、ゲイの5人組「ファブ5」が依頼者をステキに改造するという趣旨のNetflix番組『クィア・アイ』で一躍人気になった人。とは言え本人には男性のアイデンティティーはなく、自分はノンバイナリーでジェンダークィアで、代名詞はhe/himを好んでいると話しています。
ウーバーイーツはこのジョナサン(通称JVN)と、女子体操金メダリストのシモーネ・バイルズをCMに起用。以下のような動画がリリースされました。
Splitsies | Split-seas | Verb - to share an Uber Eats meal, or show off in front of your idol when she actually meant she wants to share that meal. pic.twitter.com/JfaJiqi7rn
— Uber Eats (@UberEats) October 26, 2020
Before you ask, yes: @jvn did his own stunts🤸♂️ And so did @simone_biles 😜 🤸♂️ pic.twitter.com/sW4wScHQpd
— Uber Eats (@UberEats) October 19, 2020
アンチゲイ、またはアンチLGBTQ団体の「ワン・ミリオン・マムズ(One Million Moms)」は、もちろんこのCMへの反対を表明。「クロスドレッサー」に広告をやらせるのは「リベラルのアジェンダ」による「洗脳」だとか、パンデミック中に人の役に立つ仕事に専念せず「食欲を減退させる」だなんて恥を知れだとかいった声明を発表しています。これについて、ウーバーイーツのスポークスパーソンは、 Queertyに以下のような声明をEメールで送っているのだそうです。
わたしたちウーバーイーツは、味わいのスペクトラムを描き出すことに断固として打ち込んでおります。タコスから才能に至るまで、当社はスパイシーであることを好みます。JVNとシモーネは、体操の並はずれた腕前と、強烈な自信と、どこにでもいる何百万人ものママたちが支持することができる――そして、実際に支持している美点を供しているのです。
“At Uber Eats, we’re unapologetically committed to representing the flavor spectrum. From tacos to talent, we like it spicy. JVN and Simone serve gymnastic prowess and ferosh self-confidence, qualities millions of moms everywhere can—and do—support.”
訳文がまずくてわかりにくいかと思いますが、これ、相当頭のいい人が書いた声明文ですね。どこかからコピペしてきたような紋切型の言い回しではなく、事業内容とからめた単語をあれこれ織り込んだユーモラスな文章になってますし、"prowes"なんていうちょっと格調高い単語のすぐ後に"ferosh"というゲイカルチャー由来の俗語を持ってくる遊び心も面白いです。批判してきた「ワン」・ミリオン・マムズの名称を逆手に取って、このCMを支持してくれる人はもっとたくさんいますよとほのめかしているところもお上手。ウーバーイーツ、移民搾取だの配達トラブルだので批判も浴びている一方で、こういうところにはお金をかけていると見ました。
おまけ。JVN、こんな動画も公開してます。
Have you heard of the Van Biles yet? It’s basically @simonebiles signature butt bounce but not the bounce & performed by me 😂💗 @ubereats #ad pic.twitter.com/wzjVHtiadG
— Jonathan Van Ness (@jvn) October 23, 2020