石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

クロスフィット選手、ビヨンセの曲で「男らしさ」を再定義

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ワークアウト・プログラム「クロスフィット」の選手、カーン・ポーター(Khan Porter)が、ビヨンセの曲にのせてとんでもないパフォーマンスを披露しています。

詳細は以下。

Crossfit Athlete Is Redefining Masculinity With Viral "Single Ladies" Snatch Workout Video|The Gaily Grind

動画はこちら。

動画の中で、カーン・ポーターは"Single Ladies (Put a Ring on It) "に合わせてビヨンセ風のダンスで軽やかにバーベルに歩み寄った後、いきなり120kgのバーベルでパワースナッチを決めています。その後何事もなかったかのようにバーベルを放り投げて踊り続けるところまで含めて、すごすぎる。この動画はFacebookでも公開され、そちらの再生数は200万を越えているとのこと。

本人が動画に添えたキャプションには「チャニング・テイタムやぼくは、本物の男はビヨンセに合わせて踊るものだと知っている」とあります。Facebookで本人がもう少し詳しく説明しているのですが、ここで言う「チャニング・テイタム」の話は、先日チャニングがTV番組『リップシンクバトル』で見せたこちらのパフォーマンスから来ています。

以下、カーン・ポーターのFacebookより引用。

自分の動画は明らかに面白半分で投稿したんだけど、別の理由としては、人びとのリアクションから、男らしさについての先入観にすごく素敵な変化が起こっていると思ったということもある。この変化は、「男」であるということはどういうことなのかについて、もっとポジティブな話し合いを始めるための下地になるとぼくは思う。
有名セレブが、全国放送のTVでドラァグの格好をして女性の歌に合わせて踊り、世界が両手を広げてそれを受け入れたんだよ。
ぼくがダンスの動画を投稿して、それにもまたポジティブな関心が集まったことで、社会の男らしさに対する考え方や、何が男の言動として認められているのかということが変わってきていることがわかる。
でも、その受容の程度はどこまでなんだろう?
もしぼく自身やチャニング・テイタムがオープンリー・ゲイで、同じことをしたとしたら、それでも人びとは拍手しただろうか?
男らしさについて、人に汚名を着せるような考え方はまだたくさんある。男性たちは、社会が彼らの性別にはどんなふるまいがふさわしいと見なすかという点で、とてもリアルな問題に直面している。15歳から44歳の男性の死因は、自殺が1位だって知ってた?

I posted my video for fun obviously, but also because l think the way the public reacted reflects a pretty cool shift in preconceived notions of masculinity and think that's grounds for starting some more positive conversations about what it means to be "a man".
A well known male celebrity goes on national television, dresses in drag and dances to a girls song and the world embraces it with open arms.
I post a video dancing and it too gets plenty of positive attention, showing a shift in the way society views masculinity or what is acceptable for a man to do or say.
But how far does that acceptance go? If myself or Channing Tatum were openly gay and did the same thing would people still applaud it?
There's still so many stigmatic ideas around masculinity and blokes face very real issues in terms of dealing with what society has deemed as appropriate behaviour for their sex. Did you know that suicide is the leading cause of death for males aged between 15-44?

Self-made Man: One Woman's Year Disguised as a Manの著者、ノーラ・ヴィンセントが特殊メイクで男性として18ヶ月生活して気づいたことのひとつに、「男は常に誰か(他の男性、女性、子どもetc.)に男らしさを査定されている」というのがあったことを思い出しました。男性は「常にテーブルの下の誰かから足を蹴飛ばされ、男らしくなるよう、そして男らしさを保つよう方向づけられ」るものであり、「女々しい」と思われないよう感情を押し殺して弱みを隠さねばならないとヴィンセントは書いています。このようなプレッシャーが、男性の高い自殺率の一因をなしていることはまず間違いないでしょう。人の命を奪ってまで維持し続ける意味ないよね、そんな文化。こういう動画や、それに喝采を送る人が、今後もっと増えていくといいな。