石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

イタリア上院がシビルユニオン法可決 ただし養子縁組は認めず

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欧州主要国で唯一同性カップルの法的権利を認めていなかったイタリアで、2016年2月25日、上院がシビルユニオン法を可決しました。下院でも2ヶ月以内に可決の見込みですが、この法案では同性カップルの養子縁組の権利は認められないとのこと。

詳細は以下。

伊上院、同性カップルの権利法案を可決 養子縁組認めず批判噴出 写真9枚 国際ニュース:AFPBB News

このシビルユニオン制度は同性カップルも異性カップルも利用できるもので、AFPBB Newsによれば「カップルが精神的・物質的に支援し合う義務」や、「外国人パートナーの居住許可、姓を相手のものに変える権利」などが定められているとのこと。パートナーの年金からの給付や、税額控除などの権利も認められるとTelegraphは書いています。

可決直後、同国のマッテオ・レンツィ(Matteo Renzi)首相はTwitterで「愛は勝つ("L'amore vince")と宣言し、

さらにFacebookで今回の可決について「これまでには一度も起こらなかったことであり、今でもかんたんなことではありませんでした。しかし、こうするのが正しかったのです("Non era accaduto prima, non è stato facile adesso. Ma era giusto farlo.")」と書いています。

しかしながら、今回上院を通過した法案では、同性カップルがパートナーの実子と養子縁組することを認める条項は、カトリック教会の猛反発によって削除されてしまっています。これに対して複数のLGBT団体が強く抗議しており、PinkNewsによれば、「レインボー・ファミリーズ(Rainbow Families)」のマリレーナ・グラッサドニア(Marilena Grassadonia)氏は以下のように述べているとのこと。

「2016年に……欧州の一員であることを非常に誇りに思っているイタリアのような国で、イタリア市民として守られるべき子供たちや差別されている未成年者への配慮なしにシビルユニオンに関する法律を作ることができるだなんて、信じられません」

“We can’t believe that in 2016 … in a country like Italy which is so proud to be part of this Europe, that it’s possible to make a law on civil unions without considering children who should be protected as Italian citizens and discriminated minors.”

同じくPinkNewsによれば、イタリアではこれまで、同性パートナーの子供との養子縁組は裁判によって「ケースバイケースで」認められており、今後もこの方式が続く見通しだそうです。

そんなわけでまだまだ平等が実現されたとは言いがたいのですが、とりあえず少しでも先に進んだのは良いことなのでは。「フット・イン・ザ・ドア」方式で流れを作って、今後さらに改革を進めて行ってくれるといいな。