石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アトランタのゲイカップルが熱湯をかけられやけど 犯人は母親の彼氏

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米国ジョージア州アトランタの若いゲイカップルがベッドで眠っている間に熱湯をかけられ、2度から3度の深刻な熱傷を負いました。警察の発表によれば、彼らが熱湯をかけられたのは「ゲイだから」。

EXCLUSIVE: Man pours boiling water on gay Atlanta couple in bed | WSB-TV

被害に遭ったマルケス・トルバート(Marquez Tolbert, 21)さんと恋人のアンソニー・グッデン(Anthony Gooden)さんは2016年2月、グッデンさんの住むアパートメントで眠っていました。そこにグッデンさんの母親の彼氏であるマーティン・ブラックウェル(Martin Blackwell, 48)が入ってきて、「そのゲイと一緒におれの家から出て行け」と叫びながら、やけどするほど熱い湯を彼らの全身にぶちまけたのだそうです。ふたりは首、背中、腕などに2~3度の熱傷を負いました。

2~3度の熱傷がどれぐらいの症状なのか、gooヘルスケアから以下に引用してみます。

2度熱傷
表皮の下の真皮に達する熱傷です。強い痛みがあり、熱傷受傷後24時間以内に水疱ができます。浅い2度熱傷は2〜3週間程度で治り、跡形を残しませんが、深い2度熱傷は治るまでに3週間以上かかり、痕形を残します。

3度熱傷
皮膚は壊死(えし)を起こして神経も変性するため、むしろ痛みを感じません。皮膚表面は白くなり、あるいは黒く硬い焼痂(しょうか)(焼けこげて黒くなった状態)でおおわれていることもあります。壊死を起こした皮膚はやがて脱落しますが、その後は深い潰瘍となります。  熱傷を起こした部分に感染を起こすと、傷は深くなり、治りにくくなるとともに痕形も残りやすくなります。

植皮手術を受けるため、トルバートさんは10日間の入院を余儀なくされました。グッデンさんもまた、3月11日に退院したばかり。トルバートさんは、一日中拷問されているかのような痛みが続いて眠れないと話しています。

ちなみにブラックウェル自身はこのアパートメントの住人じゃないんですよ。つまりこの男、自分には何の権利もない家で「出て行け」と叫んで熱湯をかけたわけ。ブラックウェルは現在過重暴行の容疑で刑務所に収監されており、今後ヘイトクライムで告発される可能性もあるとのこと。

こういうのを見るにつけ、「本当に治療が必要なのは(同性愛ではなく)ホモフォビア」だという説はやっぱり正しかったんじゃないかという気がしてきます。米国ではつい最近、ニューヨークの路上で2人の男が同性愛者に襲いかかり、骨折させるという事件も起こったばかりなのですが、このような、自分とは無関係な相手にわざわざ近づいていって加害せずにはいられないというメンテリティーが健康的なものであるとは自分には到底思えません。「同性愛者」というカテゴリーの発明以来、数多くの科学たちが「同性愛を『治す』方法」を探し続け、そして失敗し続けてきたわけですが、そろそろそれと同じぐらいの情熱を「ホモフォーブによる暴力をなくす方法」の探求に向けてもいい頃なんじゃないの?