石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ニューオーリンズのレズビアン、レジ係にサービス提供拒否されたと主張 店の本社はあのノースカロライナ

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米国ニューオーリンズのレズビアンが、大手ディスカウントチェーン「ファミリー・ダラー」のレジでサービス提供を拒否され、ホモフォビックな暴言を吐かれたと主張しています。同チェーンの本社は、最近反LGBT法が成立したノースカロライナ州です。

詳細は以下。

New Orleans Lesbian Says Cashier Refused to Serve Her (Video) | Advocate.com

Advocateによれば、この女性メリッサ・ラングフォード(Melissa Langford)さんは2016年4月22日、同チェーンのカナルストリート店で買い物をしようとした際、レジ係から同性愛者に対する暴言を吐かれ、商品をレジに通してもらえなかったと主張しているとのこと。そのレジ係は、自分がいかに同性愛者が嫌いであるかについて数分間大声でしゃべり続け、他の客たちひとりひとりに向かって「同性愛者は追い出さねば」だの、「同性愛者は頭がおかしい」だの、「自分には気に入らない客は誰でも拒否する権利がある」だのと説いたのだそうです。

ラングフォードさんはその後、携帯電話でレジ係の言動を録画しています。

動画の中では、ラングフォードさんのものとおぼしき声が「彼女はわたしが同性愛者だから接客したくなくて、彼は……」と言った後、レジ係の女性と男性客が激しく罵り会う様子が見られます。男性はレジ係のことを「無知だ」と言って怒り、レジ係は"N"で始まる言葉を使ってこの男性客を罵倒している模様。

ラングフォードさんによれば、この店の店長からは、くだんのレジ係についてできることは何もないと言われたとのこと。ちなみにファミリー・ダラーの本社の所在地は、最近反LGBT法を成立させたことで多方面から批判を受けているノースカロライナ州です。

とりあえずファミリー・ダラーからはその後、メールで以下のようなコメントが発表された模様。

「当社では、このような出来事は非常に真剣に受け止めております。当社にはお客様や同僚のために包括性を確立させ、すぐれた顧客サービスを保障するための倫理規定があります」とファミリー・ダラーの広報・メディア担当マネージャー、ブリン・ウィンバーンはEメールで述べた。

「その規定では、性的指向に関してプロフェッショナルらしからぬ言動をとることは、中でも特に禁じられています。この規定に反するいかなる行為も、当社が店舗の営業について期待するものでは全くありません。現在、今回の事態について調査しているところです」

"We take incidents like this very seriously. We have a Code of Ethics in place that ensures inclusion for customers and associates and helps to ensure good customer care," Bryn, Winburn, Family Dollar's public and media relations manager, said in an email.

"The code specifically forbids unprofessional conduct and comments on sexual orientation, among other matters. Any activity that goes against this code is simply not how we expect our stores to do business. This situation is currently under investigation."

とりあえずこの調査の結果なり、もっと事態の全貌がわかるような防犯カメラ映像なり、第三者の証言なりが出て来ないかぎりは、実際に何があったのかについてはまだ何とも言えなさそうです。しかし、少なくともNOLAで紹介されているラングフォードさんのこちらの意見には、あたしは賛成だと言えます。

「人が何を思おうと自由ですが、それは、他の人の生活を妨害しない限りにおいてです」

"You can feel any way you want to, as along as it doesn't impede on someone else's life,"

そうなのよ。別に同性愛者を理解してほしいとか好きになってほしいとかいう話じゃ全然ないのよ。心の中でどれだけ憎もうと偏見をつのらせようとその人の自由だけど、実生活において他人に加害するなって話なのよ。そして、反LGBT法(といっても色々ありますが、ノースカロライナの場合、州法『HB2』のために性自認や性的指向におけるマイノリティを差別からの保護対象とするとができなくなると言われています)が問題なのは、LGBTの人々が実生活の中で被害をこうむったとき、法的手段を通じて権利回復する道が断たれかねないってことなのよ。今はまだ追加情報待ちの段階ですけど、このファミリー・ダラーの一件がどのような結末を迎えるのか、とても気になっています。