石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

成宮寛貴、「セクシャリティな部分もクローズアップされ」引退発表

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俳優の成宮寛貴氏が発表した引退声明文の内容に衝撃を受け、うちひしがれています。詳しくはハフポスト日本版の以下の記事をどうぞ。

成宮寛貴が引退を発表 薬物使用疑惑報じられ「セクシャリティな部分もクローズアップされた」

成宮氏が「不安と恐怖に押しつぶされそう」で、「これ以上自分のプライバシーが人の悪意により世間に暴露され続けると思うと、自分にはもう耐えられそうに」ないと表明していることだけでも胸ふたがる思いですが、それ以上につらいのは、この一件に対するSNSでの無責任な反応の数々。つまり、突然審判員の座についてひとさまのセクシュアリティを「認められる/認められない」、「許される/許されない」などとジャッジし始めたり、「今時だれも気にしない」というような楽観的すぎる想像を開陳してみたり、あげく「堂々としていればいいのに」などと指図を始めたりする皆さまの反応です。これまでにもさんざん見てきた光景ではありますが、それがここまで一気に眼前に噴出するというのは、なかなかにつらいものがあります。

このような反応がなぜ無責任だと思うのか、具体的に説明するだけの気力が今はありません。とりあえず、過去に似たようなテーマで書いたエントリへのリンクだけ、以下に貼っておきます。成宮氏の「クローズアップされた」セクシュアリティが何であったのかについては知りませんし、知りたいとも思いませんが、おおむねこのふたつのエントリで書いたのと同じような思いを今噛みしめています。

  1. 人がセクシュアリティをどこまで公表するかに関して、当人以外がくちばしをさしはさむことについて:ジョディ・フォスターのカミングアウトについて、今さらながら雑感 - みやきち日記
  2. セクシュアリティのアウティングについて(特に、差別の存在を無視することで暴露の害を過小視したり、暴露を擁護したりすることについて):身近な人がゲイだった。困惑するあなたがアウティング以外にやれることあれこれ(と、一橋大アウティング転落死事件について思ったことまとめ)※追記あり - 石壁に百合の花咲く