石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

北京のトランス女性が72歳にして性別移行&カミングアウト

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北京の72歳のトランスジェンダー女性がこの春、妻と娘の支援のもと性別再割り当て手術を受け、トランスジェンダーであることをカミングアウトしたそうです。

詳細は以下。

Trans woman in Beijing comes out at age 72 · PinkNews

新浪新闻によれば、この女性、辛玥(Xin Yue)さんは子供の頃3人兄弟の真ん中で育ち、娘を欲しがっていた両親の希望で女の子の服を着ていたとのこと。本人も男の子より女の子の遊びが好きで、髪の毛はおさげにしていて、あだ名は「二番目の女の子」を意味する「二姑娘」("Erguniang")というものだったそうです。学校では男の子の格好をしなければならなかった辛さんは、その後社会に合わせるようにして1970年に25歳で結婚。3年後に一人娘も生まれました。そして2000年になってからインターネットでサポートサイトを見つけ、自分がトランスジェンダーだと気づいたとの由。

PinkNewsによると、中国では2009年に発表されたガイドラインにもとづき、トランスジェンダーの人が性別移行するには事前に直系の親族の同意を得る必要があるのだそうです。辛さんの妻子の反応は、果たしてこうでした。

「娘は『お母さんがふたりになるんだね』と冗談さえ言っていました」と、辛は娘からの支援について話している。

辛の妻である冷蕊は、南方都市报(Southern Metropolis Daily)紙に語った。「わたしは(辛の決心について)あまり考えませんでした。わたしが彼女に望むのは、幸せになってほしいということだけでした」。

“She even joked that later she would have two mothers,” says Xin of her daughter’s support.

“I didn’t think too much [about Xin’s decision]. All I wanted was for her to be happy,” Leng Rui, Xin’s wife, told the Southern Metropolis Daily.

それで2017年2月、辛さんは性別再割り当て手術を受けたとのこと。今後の生活について、彼女はこう話しているそうです。

「これからは、妻とわたしはお互いを『姉妹』と呼べばいいと思います。これまで通り一緒に住むつもりです」

“In the future, my wife and I can use the term ‘sister’ to call each other. We will still live together,” she says.

いいね、女同士の仲良し同居生活。まるで『トランスペアレント』で始まった話が『グレイス&フランキー』に着地したかのようだと思いました。いや厳密にいうと、辛さんのように高齢期になってから性別移行に踏み切る人が他にもいる(例1例2)からこそ『トランスペアレント』のようなドラマが生まれ、恋愛や性愛のみならず友情も「家族」を形成し得るのだという考えが支持され始めているからこそ『グレイス&フランキー』が作られたのだと思いますけど。少なくとも、人間をクッキー型で切り抜くようにして画一的な型にはめ(それも、生まれたとたんに!)、画一的な生き方を強いるイデオロギーの害にうんざりしている人が増えつつあることは確かですよね、今の時代って。手術を終えて「若い娘のような気分」「100まで生きられそう」と話している辛さんのこれからに幸あれ。