石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

今週の未紹介LGBTニュース(2018年7月15日)

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トランプ訪英にロンドンのドラァグクイーンら抗議

Drag Queens And Kings Protest Donald Trump's Visit for Stepping on Their 'Turf'

2018年7月13日、ロンドンで、訪英中のドナルド・トランプ米大統領の政策に抗議するための大規模デモが開かれました。ドラァグクイーンやドラァグキングも結集し、プラカードやパフォーマンスで思い思いの主張をおこないました。

ドラァグクイーンのひとり、Al-Kadhiさんは、トランプの訪英は、UK内のファシストたちにこの国はトランプのようなふるまいを大目に見るのだと伝えることになるという点で問題なのだと話しています。

当日のドラァグたちの活躍はこちら。

おまけ。この日のロンドンでの反トランプ・デモを上から見た映像。ここ数年に英国で実施されたプロテストの中でも最大規模の参加者数だったそうです。

ゲイ男性がテイラー・スウィフトのコンサート中プロポーズ

Gay Man Pops the Question During Taylor Swift Concert: WATCH - Towleroad Gay News

テイラー・スウィフト(Taylor Swift)のファンのゲイ男性が、テイラーのワシントンDCへのコンサート中にボーイフレンドからプロポーズされました。

この男性、リック(Ric)さんの彼氏は、テイラーが"Call It What You Want"を歌っている最中にひざまずいて結婚の申し込みをしたのだそうです。以下、リックさんのツイートをどうぞ。

動画もあります。

おめでとうございます、お幸せに。

イリノイ州の町で初のプライド・パレード開催へ 12歳少女が企画

Illinois town will get its first gay pride parade — thanks to a 12-year-old

米国イリノイ州のバッファロー・グローブ(Buffalo Grove)という町で、12歳のモリー・ピンタ(Molly Pinta)さんがプライドパレードを企画。

モリーさんは6月にシカゴ郊外で開催されたオーロラ・プライド・パレード(Aurora Pride Parade)に参加して感銘を受け、そのすぐ後に学校のGSA(学校をすべての性自認と性的指向の生徒にとって安全な場所にする活動をおこなう学生クラブ)でレズビアンとしてカミングアウト。自分の住むバッファロー・グローブでもプライド・パレードを開きたいと考え、オーロラ・プライド・パレードのオーガナイザーである「インビジブル・オーロラ」(Indivisible Aurora)という団体に相談して、まずは2019年の開催を目指して資金集めを始めたのだそうです。

彼女が始めたクラウドファンディングのページと、説明の動画は以下をどうぞ。

Fundraiser by Carolyn Heyman Pinta : Buffalo Grove Family Pride 2019

目標額1万ドルのところ、すでに7000ドル以上のお金が寄せられています。なおパレードの予定日(暫定)は、2019年6月2日だそうです。

『クィア・アイ』のレズビアン版を作りたい! パイロット版制作のクラウドファンディング始まる

Lesbian version of Queer Eye could use your help to become reality · PinkNews

なぜ『クィア・アイ』の女性バージョンがないのかと考えた、米国のコメディアンでレズビアンのアリー・ジョンソン(Ally Johnson)が、5人のレズビアンが異性愛者女性にアドバイスをする『ブッチ・パル・フォー・ザ・ストレート・ギャル』(Butch Pal for the Straight Gal)なる番組を企画。パイロット版の制作に向け、クラウドファンディングで資金を募っています。

Butch Pal For The Straight Gal | Seed&Spark

早い話が、動画の2人を含む5人のレズビアン(チーム名は"fish 5")が、ヘテロ女性たちが社会の要求するステレオタイプに自分を押し込もうとするのをやめて、もう少し自由になれるようにお手伝いをしますよという企画なわけです。目標額1万5千ドルのところ、もう9千ドル以上集まっているようですし、これはそのうち本当にパイロット版が見られるかも。

バイオリンのしらべとともにゲイ版シンデレラをどうぞ

This gay twist on the Cinderella story will make you believe in love

上半身裸での演奏で有名な、"The Shirtless Violinist"ことMatthew Olsheski氏が、シンデレラの物語をゲイのラブストーリーにリメイクしました。女性キャラ(継姉)たちはいいとこなしのようにも見えるんですが、オチに意外なひねりがつけられています。


映画『IT』続編にゲイカップルが登場、でも……

It: Chapter 2 features a gay couple but don’t celebrate just yet · PinkNews

スティーブン・キング原作のホラー映画『IT/イット “それ”が見えたら、終わり。』の続編、『It: Chapter 2(原題)』にはゲイカップルが登場するんだそうです。でも、あんまりいい扱いじゃないようで……というのはほら、このカップルって、原作に出てきたあのふたりなんですよ。

ネタバレを避けるために、以下にStephen King Wikiのそのキャラたちのページへのリンクを貼っておきます。彼らが何者で、原作ではどんな運命をたどるのか知りたい方はリンク先をどうぞ。

ハワイ最高裁、ベッド&ブレックファストのレズビアンカップルの予約拒否は違法と判断

Hawai`i Supreme Court Declines to Hear Case of B&B That Denied Room to Lesbian Couple | Lambda Legal

ハワイのベッド・アンド・ブレックファストがレズビアンカップルの予約を断ったのは違法 控訴裁判所が判断 - 石壁に百合の花咲く」の続報。2018年7月10日、ハワイ州最高裁が「アロハB&B」(Aloha Bed & Breakfast)の申し立てを棄却し、控訴裁判所の判決を支持する判断を示しました。

「アロハB&B」の店主フィリス・ヤング(Phyllis Young)氏は2007年にダイアン・セルベーリ(Diane Cervelli)さんとタエコ・バフォード(Taeko Bufford)さんというレズビアンカップルからの予約を「不快」だとして断り、差別として訴えられて、第一審でも第二審でも敗訴していました。ヤング氏の主張では同性同士の関係は「我が国を汚す」ものであり、宿泊拒否は「表現の自由」で認められるべきだということになっていたのですが、結局その主張は州最高裁でも通らなかったわけです。

2018年6月のアリゾナ州の手書きデザイン作成会社の裁判と同じく、「マスターピース・ケーキショップ」が連邦最高裁で勝ったからといって、他の企業まで広く一般にLGBTの顧客へのサービス提供を断ってよいとされたわけではないととわかる結果が出たわけですね。よかったよかった。

インドネシアでゲイカップルが公開むち打ち刑に

Gay couple whipped in Indonesia for sharia-banned sex | ABS-CBN News

インドネシアのアチェ州で2018年7月13日、シャリーアに反する性行為をしたとして、ゲイカップルが80回以上の公開むち打ちに処せられました。

今年同州でゲイカップルが公開むち打ち刑を受けるのはこれが2回目とのこと。刑吏が彼らの背中を杖で打つ間、1000人ほどの観客は写真を撮ったり「もっと強く打て」などと叫んだりしていたそうです。こういうのがあるから、あたしゃ日本のTVの旅番組で「魅惑のバリ特集」みたいなのをやっていても「いやー、同じ国でもアチェに行ったらあたしらむち打ち刑だし」と苦々しい気分になっちゃうんだよなあ。