石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

アイルランド国鉄、既婚レズビアンカップルに関係を証明しろと要求(のち謝罪)

f:id:miyakichi:20200105192941j:plain

アイルランド国鉄が、切符を求めた既婚レズビアンカップルにシビルパートナーシップ登録の証拠を出すよう要求し、のちに謝罪したと報じられています。

www.irishtimes.com

パートナー同士であることを「証明」しろと言われたのは、米国出身のメアリー・マクナニー(Mary McNally)さん。年金生活者の彼女は妻のカレン・アンダーウッド(Karen Underwood)さんともども無料で電車に乗る資格を有しており、ダブリン・ヒューストン駅からコーク行きの電車に乗ろうとしていたのだそうです。するとなぜだか切符売り場で、ふたりがシビルパートナーシップ登録していると証明するよう求められたとのこと。マクナニーさんらは2015年に結婚しているのに、なぜか要求されたのはシビルパートナーシップの証明だったんだそうです。

以下、アンダーウッドさんのFacebook投稿より引用します。

まゆをひそめて、「シビルパートナーシップの証拠はありますか?」(と係員に言われました)。もしわたしが男性で彼女が女性なら、結婚証明書を要求されたでしょうか?

Raised eyebrows " Do you have proof of civil partnership?" If I was man would she have been asked for proof of marriage certificate?

そして、マクナニーさんの意見はこう。

「もしもわたしたちが夫と妻だったら、ここまで細かく調べられるでしょうか? これは自尊心と平等に対する揚げ足取りです。わたしたちはハンドバッグに結婚証明を入れて持ち歩いたりしていません。唖然とさせられましたよ」

“If we were a husband and wife would we be scrutinised to the same extent? It’s a knock on your self-esteem and your equality. We don’t carry proof of our marriage in our handbags. We were flabbergasted by what happened,”

アイルランド国鉄はのちに、ラジオで謝意を表明し、今回のことは「他に例がないもの (“isolated one”)」であって二度と起こらないだろうと説明したそうです。

同性同士の結婚となったとたん「偽物」「簡単に悪用されるもの」扱いをしたがる人ってどこにでもいますよね。日本にもいるでしょ、ほら、「同性婚が認められたら、国籍目当ての外国人がどんどん日本人と偽装結婚してしまう!」とか大真面目で唱える人。別に異性婚だっていくらでも同じことができるのに、そこは軽やかに無視。レファレンダムで同性婚を認めたアイルランドとて、おそらく例外ではないのでしょう。こういうの、やらかす側は「正義を守ってる」つもりだから始末が悪いよなー。「ヘテロには当てはめない基準を同性カップルにだけ当てはめるのは不当」としつこく言い続けていくしかないのかなあ。