石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

トランプ政権、養子あっせん機関にLGBTQ排除のお墨付きを与える(DC暴動直後に)

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2020年1月7日、つまりトランプ支持者による連邦議会議事堂襲撃の翌日、米保健社会福祉省が、同省からの助成金の受け手(養子・里親あっせん機関や医療プログラムなどが含まれます)がLGBTQの人々を差別することを認める規則を発表しました。トランスの軍入隊禁止に始まって、医療からのトランス排除だの職場でのゲイ差別容認だのに邁進したあげく、最後(だといいけど)がこれかよ。

詳細は以下。

www.lgbtqnation.com

オバマ時代には、同省からの助成金を受けるためには性的指向、ジェンダー・アイデンティティー、宗教による差別をしてはならず、また同性カップルの婚姻を法的効力のあるものと認めなければならないという規則がありました。が、トランプ政権は2019年の時点でもう、この差別禁止ルールを撤廃すると発表していました。それだけでなく、実際に同性カップルやユダヤ人の親候補を差別している養子縁組機関が連邦政府の助成金をもらうことを承認したりも。で、今回、ついにそれが制度化されたわけ。発効は来月から。

これにより、養子・里親エージェンシーだけでなく、医療プログラムやホームレス支援プログラムなどにも悪影響が及ぶことが懸念されているとのこと。差別禁止ルールの撤廃に反対して2020年3月に訴訟を起こした人々は、「連邦政府から資金援助を受けているデイケア・サービスが、『トランスの方立ち入り禁止』の看板をかかげるということが起きてしまい得る」と主張しているそうです。本当にありそうでめちゃめちゃ怖いな、これ。

税金を徴収するときはLGBTQピープルからも非クリスチャンからも一様にふんだくっていくのに、その税金を使ったサーヴィスはキリスト教徒のシスヘテ(かつ、親候補なら既婚男女カップル)にだけ集中させようだなんて不公平きわまりないわ。……と言っても、まずそれがなぜ不公平なのかがわからない人が多いんだろうな。だからこそ1月6日(現地時間)に首都であんな前代未聞の暴動が起こって人死にまで出たわけで。

バイデン政権にはぜひこのトランプ政権によるイタチの最後っ屁(本当に最後だといいけど)をひっくり返してほしいものですが、ひっくり返したところで、トランプがしてきたことの何がいけないのかわからない・わかりたくない人たちからの攻撃は続くんだろうなと思うと憂鬱です。