スコットランドのファストフード店が新型コロナ休業からの営業再開で店頭に掲げた看板が、ソーシャルメディアで大きな話題を呼んでいます。
詳細は以下。
このお店は同国ダンディーにある、「Wee Mexico」というメキシコ料理のファストフード・レストランです。看板の写真はこちら。
看板の内容を訳すと、こんな感じです。
営業再開しました! 恐れ入りますが、以下の症状をお持ちの方の入店はご遠慮ください。
- COVID-19
- 人種差別
- ホモフォビア
- トランスフォビア
We’re back! Please do not enter if you have symptoms of
- COVID-19
- RACISM
- HOMOPHOBIA
- TRANSPHOBIA
同店のジェネラル・マネジャーのベン・ワイアット(Ben Wyatt)氏は、過去にお店で何回か差別事件が起こり、スタッフが加害者を追い出さなければならないこともあったため、このような看板が必要だと思ったと話しているとのこと。ソーシャルメディアでの反響はおおむね好意的だとのことですが、中にはたとえばこんな意見もみられたとか。
- 「自分はトランスフォビックじゃないけど、女性の権利に賛成しているから、GRAには反対(訳注:GRAとは出生証明書の性別変更のために必要なプロセスを定めた法律。医学的要件を必須としていることが侵襲的であるとして、改正を求める動きが起こってるところです。たぶんこの意見を書いた人は性別変更そのものを許せないと思っているか、医学的要件を外すのを許せないと思っているかのどちらかだということだと思います)。だから看板の最後の部分のせいで入店できない! どうして客を制限するのか」
- 「看板にこれ以外の差別(ミソジニーなど)も載せないのはおかしい」
上記1は、あたかも1970年代のアニタ・ブライアント(Anita Bryant)が現代にタイムスリップしてきて「自分はホモフォビックじゃないけど、子供の権利(子供がゲイやレズビアンに狙われない権利)に賛成しているから、同性愛者を住居差別・雇用差別から守る法律には反対*1。だから店に入れない。どうして客を制限するのか」と言ってるようなもんで、まったく支離滅裂ですね。2はただのそっちこそどうなんだ主義。同店にはこのような声に左右されず、この看板を出し続けてほしいです。
*1:ほんとにこういうことを言ってたんですよ、アニタ・ブライアント。そして、当時これを鵜呑みにして、彼女の率いる『我々の子供を救え(Save Our Children)』という反ゲイキャンペーンに乗っかっちゃった人が何万人もいたんです。