石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

あのアニタ・ブライアントの孫娘、女性と結婚へ

The One and Only

70年代の米国で大々的な反同性愛キャンペーンを繰り広げた歌手アニタ・ブライアントの孫、サラ・グリーンさんが同性と婚約。Slateのポッドキャスト「One Year」で、祖母とのいきさつについて語りました。

詳細は以下。

escandala.com

ポップシンガーのアニタ・ブライアントは、70年代にフロリダ州マイアミ・デイド郡で成立したゲイ差別禁止条例*1に憤激し、「ゲイは子供たちを誘惑しようとしている」という根拠なき持論のもと、「子供たちを救え("Save Our Children")」という名のアンチゲイキャンペーンをぶちあげた人。宗教保守はもちろんこのキャンペーンに乗っかり、結果的に同条例は撤廃に追い込まれることになりました。マイアミ・デイド郡でこの条例が復活したのは、なんと1998年になってから

ところがそのアニタの孫のサラさんがゲイだったというのですから、世の中は皮肉ですね。サラさんによると、彼女は当初祖母にカミングアウトするつもりはなかったとのこと。が、21歳の誕生日に、夫となる人が早く現れるといいわね的なことを祖母から言われ、「現れてほしくない、だってわたしはゲイだし、男に現れてほしいとは思わない」と言い返してしまったのだそうです。それでもアニタ・ブライアントは「信仰心が深まれば自分が本当は異性愛者だとわかる」と、キリスト教保守にお決まりの寝言を言ってたそうですけど。

で、そのサラさんは現在女性と婚約中で、祖母を結婚式に招待するかどうかについて、「たぶん、結局のところ電話を入れて、招待してほしいかどうか聞くことになると思います」「もし招待しなかったとして、祖母が腹を立てるかどうかすらわからない」と語っているとのこと。電話すらしなくていいんじゃないかと思うんだけど、優しいなあサラさん。とりあえず彼女が式を挙げたという報道が流れたら、ウォッカをりんごジュースで割ったカクテルでも作って祝杯を挙げたいと思います。カクテルの名前は「アニタ・ブライアント」、オレンジジュースのCMをやってた彼女への反対を示すため、全米のゲイバーがスクリュードライバーの代わりに売ってた(そして売上げをゲイの権利運動に寄付した)お酒だよ。

*1:より厳密に言うと、雇用とハウジングにおける性的指向を理由とした差別を禁じる条例だったと思います。