石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ラグビー選手にホモフォビックな暴力 足首など骨折 アイルランド・ダブリン

2022年4月10日、アイルランド共和国の首都ダブリンでオープンリー・ゲイのラグビー選手がホモフォビックな暴力に遭い、骨折などのけがをしました。選手は6月に出演したTV番組でけがの状態について述べ、元通りプレイできるようになるかどうかは不明だと話しています。

詳細は以下。

elclosetlgbt.com

被害に遭ったエヴァン・ソマーズ選手は、Emerald Warriors RFCというチームのスクラムハーフで、23歳。以下、本人のツイートと、事件直後の談話、6月時点での談話をどうぞ。

ざっとまとめると、ソマーズ(Evan Somers)選手は4月10日の午前3:30頃、ダブリンのゲイバー「ザ・ジョージ」を出た後に知らない男から同性愛者に対する罵倒語を浴びせられ、意識を失うほど殴られ、眼窩骨折、足首骨折(2か所)、足首脱臼などのけがを負ったとのことです。男は「一直線に」ソマーズ選手に近づいてきたのだそうで、狙ってやった犯行だと思うと同選手は話しています。折られた足首には6月の時点でまだピンが入っていて痛みもあり、目のけがのこともあって、今後100パーセント元通りのプレイができるようになるかはわからないそうです。

4月11日(日本時間)の写真つきツイートをした理由について本人が説明していることが興味深いですね。以下、引用して大雑把に訳してみます。

隠さずに公開する必要があると思いました、というのは、これがとてもたくさんのLGBTQ+の人々が日常的に経験している現実だからです。それに、これを見て不快になる人もいるでしょうが、不快に感じて当然じゃないですかね、こんなこと

I felt like it needed to be seen instead of hidden away because this is the reality of what so many LGBTQ+ people go through regularly & if it makes you uncomfortable, maybe it should

ほんとだよねー。

最近日本でもものすごく周回遅れで結婚の平等についての議論が始まったと思ったら、案の定「LGBTは権利権利と騒いでおしつけがましい」だの「もはや『暴徒』」だのというひどい意見まで見かけるようになりました。でもね、LGBTピープルはわざわざノンケバーの周りをうろうろして「このノンケめ!」と殴りかかったりはしてないんだよ。ましてや、ノンケが集まるバーに入っていって銃乱射したりもしてない。シスヘテロがシスヘテロだというだけで「皆殺しにしろ」と煽ったりもしてない。「口説かれたからパニックを起こした」なんて奇妙な理由で異性愛者をリンチして氷点下近い田舎道のフェンスに縛り付けて18時間放置したりもしてない。シスヘテロをLGBT(のどれか)に変わらせようとして頭に電流流したりもしてない。ましてや、社会制度からシスヘテロを締め出して、LGBTの人たちだけが相続の権利や病院で家族のムンテラ聞く権利を独占してきたなんてこともない。この状況下で「対等に扱え」と要求したらいきなり暴徒扱いってむちゃくちゃだろ、いったいどっちが暴徒だよ。いや言っても無駄(『我こそ被害者』と思ってるDV加害者に何を言っても無駄なのと同じぐらい無駄)なのはわかってるけど、ぼやかずにはいられないよ。