石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

漫画『ヤングガン・カルナバル(4)』(佐藤夕子[画]/深見真[原作]、ソフトバンククリエイティブ)感想

ヤングガン・カルナバル 4 (Flex Comix)

ヤングガン・カルナバル 4 (Flex Comix)

「バウンド・トゥ・バイオレンス」続き。百合はないけどBL(?)はあり

人気バイオレンス小説『ヤングガン・カルナバル』の漫画版第4巻です。ストーリーは「バウンド・トゥ・バイオレンス」編、つまりダニエラの物語の続き。アリサVS弓華の息詰まるナイフ戦がよかったです。ちなみに今回はレズビアン関係のエピソードはないんですが、その代わりにオリジナル番外編が大変なことになってます。番外編の舞台が執事喫茶「腐女(オトメ)の花園」だということだけ、ここでは申し上げておきましょう。誰に何が起こるのかは、読んでのお楽しみ。

今回pp. 74 - 77で描かれるウェン・ホンファと谷村警視正の会話が、怖すぎて髪の毛が逆立ちそうでした。ここに限らず、全編にみなぎる残酷さや痛みや怒りは、さすがヤングガン・シリーズといったところ。殺菌消毒済の無難なアクションものが見たい方にはまったく向きませんが、人間のどうしようもなくエグい部分から目をそらせない、あるいはそらしたくない方にはおすすめです。

ぶっちゃけ原作と同じく、PTAが見たら「残酷だ」「暴力的だ」「子供に見せるな」と眉をひそめそうな1冊ではあります。でも、現実の人間社会で行われていることは、もっと凄惨で、もっと暴力的でしょう。そして、フィクションは、このグロテスクな現実をどうにかして生き延びるためのためのツールのひとつです。むしろ多感なティーンエイジャーにこそ、この巻での塵八の怒りと絶望(pp. 19 - 22)を見てほしいなと思います。

そんなわけで非常に面白く読んだのですが、キャラの顔の描き方が変わってきていて、特に塵八がやたらと幼く見えてしまうことだけはちょっとひっかかりました。人によって意見が分かれるところでしょうが、個人的には1巻ぐらいの顔の方が高校生っぽくて良かったかなと。

まとめ

百合方面は一旦お休みですが、それはそれ、これはこれ。ヤングガンらしいハードな1冊で、楽しく読みました。番外編の遊び心もナイス。塵八の顔が妙に幼くなってきているところだけが気になりますが、そのへんは好きずきかなあ。