石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

両性愛者女性とクエスチョニング女性は摂食障害になりやすい(米研究)

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米ドレクセル大学の研究者らが、両性愛者女性とクエスチョニングの(性的指向や性自認が不確かな)女性は、異性愛者や同性愛者の女性より摂食障害の発症リスクが高いとする研究結果を発表しました。

詳細は以下。

STUDY: Bisexual, Questioning Women At Highest Risk For Eating Disorders | Advocate.com

この論文のタイトルは"The relationship between disordered eating and sexuality amongst adolescents and young adults"といい、Eating Behaviors(Volume 19, December 2015)で発表されました。以下でアブストラクトを読むことができます。

この研究のねらいは、セクシュアリティーと摂食障害の関連をさぐること。調査手法は、ペンシルベニア州の一次医療機関で14歳から24歳の協力者を募り、問題行動検査(Behavioral Health Screen; 精神科的症状とリスク行動を調べるオンライン検査)を受けてもらうというもの。検査は定期通院時におこなわれ、計2513人(うち約6割が女性)が参加しました。結果として、まず女性については以下のようなことが判明したとのこと。

  • バイセクシュアルの女性と、クエスチョニングの女性は、異性愛者や同性愛者の女性より摂食障害になるリスクが高い
  • 異性愛者女性と同性愛者女性の間にリスクの差はない

事前の予想では、同性に惹かれる性的指向は女性の摂食障害のリスクを減らすと考えられていたのだそうです。それとは逆の結果が出たわけ。

男性については、先行研究同様、同性愛者および両性愛者の男性はヘテロ男性より摂食障害のリスクが高いという結果が出たとのこと。ちなみに全サンプルの中でもっとも摂食障害の症状のスコアが高かったのは、クエスチョニングの女性。

筆頭著者のAnnie Shearer氏は以下のように述べています。

本研究の結果は、摂食障害の症状についてLGBQの人々の中に顕著な違いがある可能性を示唆しています。

“The results of this study suggests there may be notable differences in disordered eating symptoms across LGBQ persons,”

摂食障害の深刻な身体的および感情的影響を考えると、これらの知見は、定期的通院時にプライマリケア医がセクシュアリティーと摂食障害の症状の両方について質問する必要があることを強調するものだと言えます。

“Given the severe physical and emotional repercussions of eating disorders, these findings underscore the need for primary care physicians to ask about both sexuality and disordered eating symptoms during routine visits.”

なるほど。

しかし思うんだけど、「同性に惹かれる性的指向は女性の摂食障害のリスクを減らす」という予測っていうのは、早い話が「摂食障害患者が痩せたがるのは、男性からの評価を気にしているからだ」っていう80年代ぐらいからある説のことだよね多分。レズビアンで、かつ元摂食障害患者の自分としては、前々からこの説はあまりにもうさんくさいと思っていたので、今回の調査結果には特に驚きませんでした。むしろ「まだそこまで『男様からの性的評価』が過大視されとったんかい」と思ったぐらい。摂食障害は人を殺す病気なので(初診後4~15年で7%が死亡というデータあり)、異性愛主義に左右されない研究がもっともっと進んでほしいですホント。