石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

レズビアンカップルがプロムのプリンセスに選ばれる→教師「非伝統的」と拒否

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プロムを週末に控えた米国コロラド州の学校で、事前の人気投票によりレズビアンカップルがプロムのプリンセスに選ばれました。ところがある先生が「非伝統的だから」とこれを拒否。このカップルに戴冠させるか否かで揉めています。

詳細は以下。

Update: Lesbian couple caught in prom princess controversy allowed to run | FOX31 Denver

この学校は同州ボルダー郡にあるニオット・ハイスクール(Niwot High School)。同校では記入式の投票でプロム(米国の大学・高校などで通例学年末に開催されるダンスパーティー)のプリンスとプリンセスを選ぶことになっており、今年も2016年4月23日開催予定のプロムに先駆けて投票が行われました。結果、ジュニア・プロムの部門で、「とても人気があって、楽しいことが好きで、お互いに愛し合っている」(クラスメイト談)レズビアンカップルが過半数の票を得て大勝。

ところが、プロム委員会の責任者の先生が、彼女たちの戴冠に反対したのだそうです。理由は「非伝統的だから」。

「(その先生は)それは伝統的でないと言いました。レズビアンカップルがプロムのジュニア・プリンセスやプリンスになるのは伝統的でないと」と、2年生の生徒会員ザンダー・ボーンは言った。

“[The teacher] said that it was untraditional. It was untraditional for a lesbian couple to be the prom junior princess and prince,” said Zander Born, a sophomore on Niwot’s student council.

この事態にたくさんの生徒たちが怒り、学校区(教育委員会を持ち、課税の権限がある、教育行政上の最小の単位)にまで問い合わせが行くことに。学校区の出した声明は「学校の指導者は生徒たちと相談し、権限を与え、前進しようという彼らの判断を支持した」というもので、それ以上具体的な言及はなかったそうです。しかし、ボーンさんによれば問題の教師はこの後調子を変え、学校はプロムの投票のプロセスについて考え直すかもしれないと言っているとのこと。

2016年4月20日の時点で、生徒会は、結局このレズビアンカップルがプロムのプリンセス(またはプリンス)に立候補することは認められるだろうと述べているそうです。

プロムってヘテロノーマティブなイベントだから、こういうトラブルが後を絶ちませんね。過去記事から先例をいくつか拾ってみました。

まず、性的マイノリティーの生徒がプロムの参加や、プロム・キングへの立候補を拒否された例。

ミシシッピ州では裁判も起こっています。

一方、もっと包括的なプロムも増えてきてはいます。

こういうニュースを見かけるたびに「もうこんな面倒くさい行事、やめれば?」と思ってしまうのですが、プロム自体をなくすというのは、性的マイノリティーの子供たちの「自分もワクワクしながらプロムの準備をしたり、パートナーと一緒に参加したり、クイーン(やキングやプリンセス、プリンス)に選ばれたりしたい」という希望を丸ごと潰すことでもあって、それではやはり根本的な解決にはならないとも思います。妥当な落としどころは、「プロムというイベントをシスヘテロだけのものにしない」ということでしょうね。

今回のニュースでちょっとショックだったのは、前述のボーンさんによればニオット・ハイスクールは「信じられないほど進歩的」で、LGBTであるということは「どうってことない」と思われている学校だということ。そんな学校でさえ、責任者にひとり石頭がいるだけで、レズビアンカップルは(少なくとも、ヘテロほど簡単には)プロム・プリンセスになれないのだと思うと頭が痛いです。言い訳に持ち出された「非伝統的」という語にもうんざり、こんなの「これまでと違うことをしたら祟りが起きるのだ、理由は説明できないがそうなのだ」っていう迷信と変わらないよ。生徒たちが怒って立ち上がってくれて、本当によかったです。