石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的備忘録。内容は主に(1)LGBTニュース、(2)ガール・オン・ガールのポップカルチャーなど。

今週の未紹介LGBTニュース(2017年11月5日)

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映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』がバイセクシュアルキャラの場面をカット

Thor: Ragnarok cut a small scene confirming bisexual character

現在公開中のマーベル映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』で、コミックスではバイセクシュアルとして描写されているヴァルキリーというキャラが、はっきりとバイセクシュアルとしては描かれなかったというニュース。ヴァルキリー役のテッサ・トンプソン(Tessa Thompson)によると、ある女性がヴァルキリーと親密な関係にあることをさししめす場面も撮影したものの、最終的にはその場面はカットされたのだそうです。テッサ・トンプソンはそれでも、ヴァルキリーはバイだとTwitterで断言しています。

訳:「彼女はバイですよ。そして、そう、男にどう思われるかはほとんど気にしてないんです。演じられてすごく楽しい!」。

ケニアがディズニーの『Andi Mack』を放送禁止に 原因はゲイのストーリーライン

Kenya Bans ‘Andi Mack’ Over Gay Character, in Crackdown on LGBT Content – Variety

ディズニーチャンネルのコメディ『Andi Mack』が、ゲイ少年のカミングアウトのシーンを放映した数日後、ケニアで放送禁止になったというニュース。同国のレイティング機構CEOのEzekiel Mutua氏は、同機構は「子供たちを有害な映画や(放送の)コンテンツへの暴露から守る義務がある」と述べ、さらにこう付け加えたそうです。「ゲイのコンテンツはケニアでは放送しない……以上だ!」(“Gay Content Will Not Air in Kenya…PERIOD!”)

たぶん、映画『マイティ・ソー バトルロイヤル』でヴァルキリーが両性愛者だとわかるシーンがカットされた理由のひとつは、こうやって禁止される国が出てくると興行収入に影響をきたす恐れがあるからなんじゃないでしょうか。実写映画『美女と野獣』でも、サブキャラのごくささやかなゲイネスが問題視されて上映延期になったり年齢制限がつけられたりしましたし、テレビ番組だって国によっては当然こういう反応はあるでしょう。ちなみにケニアのゲイ&レズビアン人権コミッション(National Gay & Lesbian Human Rights Commission)のエグゼクティブディレクターのNjeri Gateru氏は、Mutua氏の判断に失望の意を示し、「彼は常にクィアな人々のナラティヴを消去しようとしていて、政府がそれを是認しているのです。ケニアに住むLGBTIQの人々は嫌がらせや差別や暴力の対象となっているのに、ケニア政府はクィアネスはどうでもいい問題だという立場をとり続けています」と述べているとのこと。

学校でLGBTQについて教えたNY教師が停職に

米国ニューヨークにあるケンブリッジ・セントラル・スクール(Cambridge Central School)という学校が、7年生と10年生にLGBTQについて教えた保険の先生を停職処分にしたというニュース。

この先生は7年生には「ホモフォビア」「インターセックス」「シスジェンダー」「ジェンダー・ノンコンフォーミング」などの用語の意味が書かれたハンドアウトを配り、10年生にはLGBTQについてもう少し詳しく書かれた42ページの小冊子を配って授業をしたとのことですが、これについて保護者から「クリスチャンの価値を侵害している」、「多様性について教えるのはいいが、11~12歳の子供に詳しく教えるのはやりすぎ」などの苦情が出たんだそうです。11~12歳の子にこそ詳しく教えないと、学校での誤解・偏見・いじめはいつまでたってもなくならないと思うんだけど。

「引っ越せ、さもなくば死ね」ゲイ男性の車に脅迫らくがき 米バージニア州

Vandals Warn Virginia Gay Man: "Move Or Die" | NewNowNext

2017年11月2日の夜、米国バージニア州リッチモンドで、あるゲイ男性の車にこんな落書きをされているのが発見されたとのこと。

訳すと、「ゲイ、引っ越せ、さもなくば死ね」。車の所有者は恐怖のため喘息発作を起こし、病院に運ばれたそうです。この男性はゲイとして知られている人であるため、地元LGBT団体の関係者は「これは死の脅迫であり、行き当たりばったりの落書きではない」と考えているとのこと。

ケイトリン・ジェンナーのビフォーアフター写真をトイレの標識にしたレストランが物議をかもす

Texas restaurant uses photos of pre- and post-transition Caitlyn Jenner as bathroom signs

トランス女性のケイトリン・ジェンナーは、以前は「ブルース・ジェンナー」として男子十種競技選手で活躍していた人。米国テキサス州のレストランが、店内の男性用トイレのドアにケイトリンのアスリート時代の写真を、そして女性用トイレのドアに性別移行後のドレス姿の写真を貼り、トランスフォビックだとして批判されています。

人間のジェンダーは性別移行するかしないかで変わるものではないということが根本的にわかっていないお店なんでしょうね、たぶん。

ちなみにこのレストラン、「ドディーズ・プレイス・ケイジャン・バー&グリル」(Dodie’s Place Cajun Bar & Grill)の言い分では、これは「気楽な行為」("lighthearted gesture")としてやったことであり、このお店をトランスフォビックだとか偏見持ちだとか呼ぶのは「人々を分断する行為」だからよくないことなんですってよ。一方、同州最大のLGBTQ団体「イクオリティ・テキサス」(Equality Texas)のルー・ウィーヴァー(Lou Weaver)氏は、この件に関して以下のような声明を発表しています。

「ケイトリン・ジェンナーの写真をこんな風に好かうのはおそろしいことだと思います。トランスジェンダーの人々はジョークではなく、トランスジェンダーの人々の写真は、このような軽蔑的なやりかたで扱われるべきではありません。人はいついかなるときでもあらゆる人を尊重しなければなりません」

‘I think using Caitlyn Jenner’s photos in such a manner is horrible. Transgender people are not jokes nor should their likeness be used in such a disparaging manner. We must be respectful of all people all the time.’

トランス女性に数週間嫌がらせをして暴力をふるった兄弟、ヘイトクライムで起訴される

Brothers Charged With A Hate Crime After Tag-Team Assault On Transgender Teen | NewNowNext

米国ニューヨーク州オスウェゴ郡で19歳のトランスジェンダー女性に数週間にわたって嫌がらせをし、あげく暴力をふるったコーディ・トーマス(Cody Thomas, 18)とシェイン・トーマス(and Shane Thomas, 27)がヘイトクライムで起訴されたというニュース。この兄弟はいつも車の窓から被害者女性に罵り言葉を浴びせていたのですが、2017年11月1日、被害者が自転車に乗っていたとき、わざわざ車を停めて降りて行ってこの女性を殴ったのだそうです。トーマス兄弟はヘイトクライムとしての第3級暴行で起訴されたものの、現在は拘留を解かれているとのこと。