似たような事件が多すぎる。
ハンガリーのアンチLGBTQな与党所属の議員が、ロックダウン破りのゲイ乱交パーティーで警察に拘束されました。その数日後、今度はリトアニアのアンチLGBTQ政治家が、Zoom会議の最中に半裸の男性がカメラに映り込んでしまって支離滅裂な弁明を繰り広げています。この手の事件、昔から多すぎ。
1. ハンガリーの欧州議会議員、ロックダウン違反のゲイ乱交パーティー参加がばれ辞意表明
2020年11月27日、ハンガリーのアンチLGBTQな与党「フィデス・ハンガリー」所属の政治家で欧州議会議員のサーヤー・ヨージェフ(Szajer Jozsef)氏が、ロックダウン中のベルギー・ブリュッセルで、参加者のほとんどが男性である乱交パーティーに参加していたとして警察に拘束されました。サーヤー氏はその後、辞職を表明。
日本でも以下の日本語記事がけっこう話題になってたと思います。
上記2記事の最大のポイントはここだと思います。
ベルギーメディアによると、サーヤー氏が参加したパーティーは、全裸の男性25人が参加するものだったという。
サーヤー氏は、与党の保守的な政策を推進する上で重要な役割を果たし、結婚を「男性1人と女性1人によるもの」と定義する条項を盛り込む憲法改正を後押ししてきた。それだけに、こうしたパーティーに参加したことの発覚は、特にきまりが悪いものとなった。
調査報道サイト「Direkt36」の記者はサーヤー氏について、「自身はLGBTにフレンドリーなブリュッセルで楽しむ一方、ハンガリーで暮らすLGBTの人々の生活を悲惨なものにしてきた」とツイッター(Twitter)に投稿した。(c)AFP/Géza MOLNAR
2. 一方その頃リトアニアでは
なんでかこっちは(まだ)日本では報道されてないみたいなんですが、2020年12月2日、リトアニアの保守派政治家で、アンチLGBTQな言動で知られるPetras Gražulis氏が、Zoom会議の最中カメラに半裸の男性が映りこんでしまうというアクシデントに見舞われています。
映像はこちら。
Gražulis氏はこれまで、LGBTQの人々について「これらの人々はまったくの病気で、倒錯している。子供にみだらなことをするため、社会にとって脅威である」などと主張したり、プライド・パレードをやめさせるため同性愛の「宣伝」を禁じる法案を提出したりしてきた人。さらにいうと、2010年にリトアニアのプライド・パレードで暴力行為をはたらいたとして訴えられた人でもあります。詳しくは以下を。
さて、今回勤務時間中になぜか上半身裸の男性がカメラに映っていたことについて、Gražulis氏の説明は以下のように変遷しているとのことです。
- 「自分の息子だ」
- 「息子ではなかった。よく見たらジャーナリストのAndrius Tapinasだった。どこでもつきまとわれているから、彼がそこにいてもおかしくない」
- (カメラに映った人物がTapinas氏に見えないことに関して)「Andriusは簡単に外見を変えられる」
- (議会でのスピーチ中、この件に触れて)「パランガにいる娘を訪問していたとき、彼(Tapinas氏)が窓の下に立っていた」「彼にはもう半年つきまとわれている」
なお、Andrius Tapinas氏は、半裸でGražulis氏のアパートメントにいた人物は自分ではないと言っているとのこと。
3. 過去の類似事件
上記のような話は昔から掃いて捨てるほどあります。自分がこれまで紹介してきたものだけでも、ざっとこんな感じ。
そして、上記エントリのひとつ(インディアナ州市議会候補、LGBTの権利に反対する→ゲイ出会いサイトの利用をばらされる→落選 - 石壁に百合の花咲く)で箇条書きでざっと紹介した事件も、こんなに。
- 合衆国上院議員ラリー・クレイグ(Larry Craig)氏
- 性的指向にもとづく犯罪をヘイトクライムに含めることや、性的指向による雇用差別の禁止などに反対していた。2007年に空港の男子トイレで男性の私服警察官にみだらな行為をはたらこうとして逮捕された。
- ノースダコタ州下院議員ランディー・ボニング(Randy Boehning)氏
- LGBTの州民を差別から守る法案に反対した後、ゲイ向けの出会いアプリで自分のヌード写真を送信していたことがばれる。
- インディアナ州の共和党団体「ヤング・リパブリカンズ」の元リーダー、グレン・マーフィー・Jr.(Glenn Murphy Jr.)氏
- 「ストレートな」家族の価値を提唱していたが、「ヤング・リパブリカンズ」の男性会員が眠っている間に同意なくフェラチオして捕まり、性犯罪者として登録された。
- ノースカロライナ州カンバーランド郡政委員会の元会長、ブルース・バークレイ(Bruce Barclay)氏
- 同性愛は自然に対する罪であると主張する一方、自宅に男娼との性行為を録画したセックステープを少なくとも100本隠していたことを警察が発見。
- ノースカロライナ州上院議員候補スティーヴ・ワイルズ(Steve Wiles)氏
- 同性愛や同性婚に反対し、ゲイバーでドラァグクイーンとして働いていた過去をすっぱぬかれる。
- ワシントン州下院議員リチャード・カーティス(Richard Curtis)氏
- ドメスティック・パートナー法などに反対していたが、男性とのセックススキャンダルで議員を辞職。
- カリフォルニア州上院議員ロイ・アッシュバーン(Roy Ashburn)氏
- 「提案8号」を支持し、「ハーヴェイ・ミルクの日」の制定や、他州での同性婚を認めることなどに反対していた。ある日ゲイバーを出た後飲酒運転で逮捕され、その車に男性同乗者がいたことからゲイだとばれる。のちに本人がゲイであることを認める。
多すぎるだろ!!
まとめと感想
似たような事件がこれだけ起こってるってことは、結局、「LGBTQピープルを叩くと利得が得られる」ということなのだと思います。LGBTQ叩きをすれば票やら金やら支持者やらが手に入る上に、周囲からシスヘテ認定されることで自動的にシスヘテ特権まで享受できて、おいしいんでしょうねー。金と地位があれば、クロゼットの中にいても性欲は満たせるでしょうしね。せめてこういう事件が世に知れ渡ることで、巷に存在する「LGBTQの人々に対して差別的な人=シスジェンダーの異性愛者」という間違った認識がぶっ壊れてくれることを祈ります。事態はもっと複雑だし、敵はもっとややこしいのよ。