ロシアの検察官が、同国議員の要求により、ドルチェ&ガッバーナのある広告を国内で禁じるよう求める訴えを起こしたそうです。原因は、その広告に同性間のキスが出てくるから。でもちょっと待って、ドルガバってそもそもゲイフレンドリーでも何でもない企業じゃなかったっけ?
詳細は以下。
事の起こりを時系列に並べると、どうやらこういうことみたい。
- 2021年のバレンタインデー前日、ドルチェ&ガッバーナが"Love is love"と称するキャンペーンを開始
- キャンペーンの一環として、女性同士・男性同士のキスが含まれるショートビデオ2種を発表
- 同ブランドのInstagramアカウント(@dolcegabbana)に掲載されたその動画を、ロシア国会院(国家ドゥーマ)のMikhail Romanov議員が非難
- 2021年5月14日、サンクトペテルブルクの裁判所の報道機関が、検察官が上記のInstagram広告のうち1つをロシアで禁じるよう求める訴訟を起こしたとする声明を発表
- 声明内の表現:「(この動画には)家族の価値を拒絶し、非伝統的な性的関係を宣伝する要素が含まれている」
しかしだね。伝統云々というのなら、そのドルチェ&ガッバーナは以前、体外受精で生まれたこどもについてひどいことを言ったあげく、「父親と母親の揃った『伝統的な』家族だけが家族」と主張して大炎上したところなんですけど。詳しくは以下を。
つまり今回の件って、ホモフォビックで「伝統」重視な国と、ホモフォビックで「伝統」重視なファッションブランドが、なぜかゲイ・キスをめぐってゴタゴタしてるってことになるわけで……いち同性愛者としては、いちいちあたしらをダシにしないでホモフォーブ同士で仲良くしてろよとしか思えません。こんな広告を打つあたり、ひょっとしたらドルチェ&ガッバーナはまだピンク・マネーに未練があるのかもしれないけど、女性蔑視や人種差別でもさんざんミソをつけてきた同社が今さらマイノリティの金に色目を使うだなんていけ図々しいよ。最初から胸にでっかく「伝統」ってプリントしたダサダサTシャツでも売ってロシアに媚びときゃいいのに。