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連載中断が惜しまれる面白さ
18禁エロ漫画。連載中断のために未完のままに終わっている作品です。一言で言うと「姉妹ものにして主人公総受けの女子校もの」なんですが、確かな画力に加えて、メインキャラのひとり「美亜」がとても魅力的。まだ回収されていない伏線もあるし、同作者さんの『エスケープ』シリーズと同じく、続きが非常に読みたい作品ですね。
絵について
立体感ある綺麗な絵柄で、それでいて漫画らしいエロさ(乳描写とか)も兼ね備えているところがとてもよかったです。また、その確かな画力で繰り広げられるエロシーンの淫靡なことといったら鼻血もんでした。
美亜について
長身でクール、しかもナイスバディの美人、おまけに何やら翳りのある過去を持っているらしい彼女は、キャラクタの中でピカイチの魅力を放っています。こんなに魅力的な人なのにどうやら苦しい片恋をしているらしい、というところもポイントですね。正直言って、主人公の「あやめ」とその姉「恵」は、ドジっ娘の妹&完璧超人の姉というよくある取り合わせで、今ひとつ新味に欠ける(でも姉妹Hシーンは超絶エロいけどな!)と思うんですよ。が、そこに美亜という少し謎めいたキャラが加わることで、ストーリーにいい感じのひねりが加わっていると思います。
レズビアニズムの解釈について
メインキャラ3人が女だけで海に出かけ、不粋な野郎どもに「女同士なんてもったいない」という趣旨のことを言われてナンパされる、というどこかで見たような(はい、『春夏秋冬』(蔵王大志+影木栄貴、一迅社)ですね)シーンがあるのですが、そこでの美亜の男たちへの切り返し方(p106)がお見事でした。
男たち「なー 女だけじゃつまんねーだろ オレたちがいい思いさせてやるからさぁ ちょっと付きあえよ」(引用者中略)「いい体してんなぁ 抱きてー」
美亜「迷惑なんだよ(引用者中略) おまえらと付きあうくらいなら 海の底でタコとダンスしてた方がまだマシだ」
わはははは痛快。このシークエンスですごくいいなと思ったのは、彼女たちが男全般を嫌っているとか、何も悪いことをしていない男性を一方的にからかったり見下したりしているとかではないこと。美亜が怒ったのはあくまで「失礼なことを言われたから」であって、それ以上でもそれ以下でもないんですよね。「レズは男を必要としないかっこいい存在なのだ」みたいなくだらない偏見(つーか『春夏秋冬』のキャラの切り返し方がもろにそれだったんだけど、そういうのって単なる異性への執着の裏返しだと思うんだよね)の匂いがしない、楽しい描き方でした。
その他
美亜以上に謎めいた「翠」(みどり)というキャラ(ついでに言うと、話の中盤でのエロ担当でもあります)がいるのですが、彼女の狙いが何なのか最後までわからずじまいなのが気になります。翠の妙な言動は、おそらく今後の展開のための大きな伏線なのでしょうが、今となってはそれを読むすべはなし。どこかで連載再開してくれないものでしょうか。
まとめ
絵もよし、キャラもよしで、その上レズビアニズムへのいらん誤解や偏見もなく、とても面白かったです。続き、出ないかなー。