石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

『The Funny Thing Is...』(Ellen DeGeneres、Simon & Schuste)感想

The Funny Thing Is...

The Funny Thing Is...

レズビアンのコメディアン、エレン・デジェネレスによるコミックエッセイ。ギャグのパンチ力という点では、こないだ紹介した『Seriously... I'm Kidding』の方が上かな。ただしそれでも吹き出してしまう箇所は随所にあり、

  • 子どもの頃インディアンのイロコイ族に売り飛ばされた話
  • パーソナル・トレーナーとピザの話
  • おばあちゃんのエピソード各種

なんかは何度読んでも笑えます。パーソナル・トレーナー「リコ」とのアホ会話の部分では、「こういうギャグを連発できる人だからこそ、元摂食障害のポーシャ・デ・ロッシとうまく行くんだな」と納得したりもしました。他には、第7章「Silence Is Golden」の果てしなく転がって行くスラップスティック・ギャグも好き。特に空気でふくらませる人形「リンダ」のくだりは必見。

あと特筆すべきは、この本にはセクシュアリティーに関するギャグがしっかり入っていることです。「同性婚を認めたら人間と動物との結婚まで認めねばならなくなる」と主張する人たちについて、エレンはこんなことを言ってます。(以下、みやきちによる適当訳)

こういう人たち、怖いわ。向こうは私たちの方がキモいだなんて思ってるのよ。

わたしは山羊とは結婚したくない。ほんとにしたくない。山羊とデートして、結婚するほど真剣な関係に至ることすら想像できない。そうそう、結婚前に相性をたしかめるためにしばらく同棲する人っているわよね……。

あなたと山羊の住むアパートメントをちょっと想像してみましょう。そこらじゅうにあなたと山羊の写真が飾ってあるの――あなたと山羊が、海岸で手をつないで走っている写真とか。レストランでマリアッチにセレナーデを奏でてもらっている写真とか。エッフェル塔の前でクレープとブリキ缶を食べている写真とか。あなたと山羊の、スピード写真で変顔をして取った写真とか。

These people scare me. They think we're weird.

I don't want to marry a goat. I really don't. I can't imagine even dating a goat--getting to the point that you're serious enough to make that kind of a commitment. Sure, you can live together for a little while to figure it out, see if you are compatible...

I'm just picturing the apartment you'd have, you and the goat. Photographs all over the place--you and the goat on the beach running, holding hands. You and the goat being serenaded by mariachis at a restaurant. You and the goat in front of the Eiffel Tower eating crepes and tin cans. You and the goat making faces in a strip from the photo booth.

リアルに想像してしまって爆笑しつつ、ものすごく納得しました。

ペーパーバックで全177ページとボリュームも少なく、さくっと読めてさくっと笑える本です。オーディオブックも聴きやすくてよかった。次は同著者の『My Point...And I Do Have One』を読む予定。