石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

英国の隠れゲイ銀行家、性的指向を隠すため妻を殺害、死体を焼却

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2014年4月11日、インド系英国人でゲイの銀行家が、妻を殺害し死体を焼却したとして有罪判決を受けました。妻から性的指向を友人や家族に暴露すると脅されたと彼は主張しています。

詳細は以下。

Gay banker murdered wife, incinerated body to hide his sexuality | Gay Star News

この銀行家、Jasvir Ram Gindayは29歳。2008年の時点で、自分は男性が好きだが、母が同性愛を嫌うので家族には言えないと友人に話していたそうです。2012年、彼は妻のVarkha Raniさんと結婚。インドで盛大な式を挙げたのち、Raniさんはビザを得て英国に移住しました。

2013年9月12日、Gindayは掃除機の金属パイプで妻を窒息死させ、死体を焼却炉に入れたと言われています。事件の2日後、煙に気づいた警察から焼却炉の中身は何かと聞かれて、Gindayが言った台詞はこちら。

「食べ物です」

‘It’s food’


警官が焼却炉の蓋を開けたところ、出てきたのは人間の頭蓋骨でした。病理医の意見では、Varkhaさんが焼却炉に入れられた時点で既に死亡していたことは明らかだとのこと。

Gindayは妻殺しを認めたものの、殺意は否認しているそうです。事件当日iPhoneやiPadの中身からゲイだと知られ、周囲に話すと脅されて喧嘩になったというのが彼の主張。しかしながら検察は、ネットでの焼却炉に関する検索歴から判断して、Gindayは妻の渡英直後にもう殺害計画を練っていたと主張しています。Gindayが事件のあった月に大量のガソリンを購入するところも、防犯カメラに記録されていたとのことです。

ひっどい事件。最悪の解釈をするならば、「『女と結婚していたのだからゲイじゃない』という証拠作りのためだけに結婚して、その後邪魔者たる奥さんを殺した」ということなのでしょうか。

もちろん加害者がいちばん悪いのですが、そもそも同性愛嫌悪や、男は女と結婚して当然という社会的圧力がなければ、こんなことは起こり得なかったはず。「同性婚を認めると少子化が起こる(=だから同性愛者を異性と結婚させろ)」という珍説を唱えておいでの皆さんは、自分がどれだけひどいことを言っているのか、少しは考えてみられては。「自分は愛のない偽装結婚の相手にさせられても、その後邪魔者扱いされて殺されても幸せ♪」と言い切れるのでない限りね。

こんな風に殺人事件にまで至るケースは稀だとしても、夫の冷淡さやセックスレスに悩む妻が「実は夫はゲイで、自分とは世間体のために結婚しただけだった」と知ってしまった話なんてのは、日本でも昔から新聞やラジオの人生相談の定番だったりしますよね。お隣の中国でも、同性愛嫌悪と結婚圧力は下記リンク先のような悲惨な事態をもたらしているみたいです(情報を教えてくださったビューワー様に感謝します)。

「夫は同性愛者」が1600万人!?報われぬ愛に涙する女性たち―...:レコードチャイナ

結論。強制異性愛は誰も幸せにしません。異性愛者をも、です。