石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

台湾総統選候補者、旧暦七夕に同性カップル登場の動画リリース

七夕
七夕 / 李小白Little White

2016年の台湾総統選候補者の蔡英文(ツァイ・インウェン)民進党主席が、旧暦の七夕に合わせて、同性カップルが3組登場するビデオクリップを発表しました。4種の言語が使われ、愛と多様性の大切さを強調する内容となっています。

詳細は以下。

Taiwan presidential candidate releases beautiful video featuring gay couples | Gay Star News

動画はこちら。

この動画は蔡英文氏の公式Facebookアカウントに2015年8月19日にアップロードされました。動画内にはさまざまなカップルや家族が登場し、うち3組は同性カップルです。蔡氏はFacebookで、この動画に「すべての人が幸せな恋人達の日を過ごせますように」と書いています。「恋人達の日」というのは、(旧暦の)七夕のこと。英語圏では「中国のバレンタインデー」と訳されており、2015年だと8月20日です。

使用曲の歌詞はYouTubeの説明文で見ることができ、それによると、「你甲我有同款的夢」(あなたとわたしは同じ夢を見る)というリフレインの部分は、台語、國語、原住民語(阿美族)、客家語の4通りで歌われている模様。セクシュアリティだけでなく、民族の多様性をも強調した動画なわけです。

Gay Star Newsによると、蔡英文氏は58歳まで独身であることから、セクシュアリティに関する憶測が飛び交ったことがあるのだそうです。しかしながら氏は「ジェンダー抑圧の共犯にはなりません」と言って、私生活についての質問に答えることは拒否しているとのこと。氏のセクシュアリティがどうあれ、否定も肯定もしないことで抑圧への荷担を避けるというのはキアヌ・リーブス*1と同じやり方で、好感が持てます。

台湾では2015年、高雄と台北で相次いで同性パートナー登録が可能になり、台北市では市主催の合同結婚式への同性カップルの参加も許可されたばかり。2016年の総統選挙で蔡英文氏が勝てば、さらに変化にはずみがつくかも。選挙の動向から目が離せませんね、これは。

*1:キアヌは「ヴァニティ・フェア」のインタビューで、"There's nothing wrong with being gay. So to deny it is to make a judgment. And why make a big deal of it?"(『ゲイであることは少しも悪いことじゃない。噂を否定したら、それがジャッジメントになってしまう。それに、なぜこのことで大騒ぎするんだい?』)と答えたと言われています。cf. Young, P. (2002). "L.A. Exposed: Strange Myths and Curious Legends in the City of Angels". London:St. Martin's Griffin.