石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ネパール、新憲法にLGBTI保護を盛り込む 世界で3番目

Prayers for Nepal
Prayers for Nepal / AlicePopkorn

ネパール議会が、新憲法にLGBTIの保護を盛り込むことを承認しました。これで同国は、南アフリカとフィジーに続いて世界で3番目に憲法でLGBTIの権利を認めた国となる見通しです。

詳細は以下。

Nepal lawmakers approve first LGBTI protections in new constitution | Gay Star News

新憲法では、市民が希望するジェンダーの身分証明書を持つ権利が保証されるほか、LGBTIが憲法によって認められた弱者集団のうちに含められているそうです。旧憲法にあった「男性と女性」、「息子と娘」などの表現はジェンダー・ニュートラルなものに改められており、「ジェンダーにおけるマイノリティーおよび性的マイノリティー」が国家機構に加わったり公的サービスを受けたりする権利も明記されているとのこと。

「何ごとであろうと、社会的かつ文化的に不利な状況におかれた女性、不可触民、先住民、部族、マデシ(ネパール南部に住む少数民族)、タルー(タライ平原に住む少数民族)、イスラム教徒、少数民族、下層階級民、少数派の民族、周縁化された人びと、農民、労働者、若者、子供、老人、ジェンダーにおけるマイノリティーおよび性的マイノリティー、身障者、妊婦、生活に差し支える障害がある者、または孤立無援の者、未開地に住む者、そして経済的に恵まれない市民たちの利益の保護、エンパワメント、または進歩のために法によって特別な規定を設けることを防げられはしない」と新憲法は言明している。

‘Nothing shall be deemed to prevent the making of special provisions by law for the protection, empowerment or advancement of the interests of socially and culturally disadvantaged women, Dalits, indigenous peoples, tribes, Madhesi, Tharu, Muslim, ethnic minorities, backward classes, minorities, marginalized, farmers, workers, youth, children, senior citizens, gender and sexual minorities, handicapped persons, pregnant persons, disabled or helpless, people of backward regions and economically disadvantaged citizens,’ the new constitution states.

すごいな。法律婚した男女だけをえこひいきする「夫婦控除」を導入するとか言い出してるどっかの国とはえらい違いですね。ネパールの方がよっぽど先進国だよ!!

ネパールでは2008年に最高裁が政府に対しLGBTIの権利を保証する法整備をおこなうよう指示しており、2009年には政府が同性婚法の検討委員会を設立しています。2011年には国勢調査に、そして2015年にパスポートにサード・ジェンダー(第3の性)の項が追加されました。今年8月には、首都カトマンズのパレードで、アクティビストたちが新憲法に性的マイノリティーの権利を正式に記すよう求める動きもありました。こうしてみると、これだけ進歩的な憲法が出てくる土壌は、前々からあったのかも。

ちなみにGay Star Newsによれば、ネパールの新憲法にパートナーシップ法や結婚の平等に関する記述が入るかどうかについては、「今後の課題」だとのこと。もし実現すれば、同国はアジアで初めて同性カップルの法的保護を実現させた国となります。続報が待ちきれません。