Happy Thanksgiving everyone! / InaFrenzy
米大手百貨店チェーンのコールズ(KOHL'S)が、ホリデー用CMに男性同士のカップルを登場させました。
詳細は以下。
Watch: Kohl's New Holiday Ad Celebrates The Inclusion Of Gay Couples|The Gaily Grind
CMはこちら。
このCMは祝祭日に家族が集まって食事するところを描いたもので、男性同士のカップルが出てくるのは0:09と0:23のところ。この家の息子さんがパートナーを連れて帰ってきたという設定らしいのですが、「ほらほらゲイですよゲイ!」のようなあざとい演出はなく、ボーッと見ていたら気づかないぐらい、他のカップルと等価の扱いをされています。
ちょっと前まで、同性愛者というのは一家の中で「独身貴族やオールドミス、変わり者の叔父、一癖有る伯母、ちょっと厄介な兄弟、もしくは近所の捻くれ者」とされていたとアンドリュー・サリヴァンは書いています*1。異性愛以外の性的指向は口に出してはいけないタブーとされ、同性の恋人は「友人」や「ルームメイト」だということにされ、その中で同性愛者は「なぜか結婚しない、変人の異性愛者」役を演じさせられてきたわけです。こういうCMを見ていると、それがようやく変わってきたのかなという気がします。
よく見るとCM内の同性カップルは異人種間カップルでもあり、多方向から「現代における家族像」をポジティブに描こうとした意欲作だと感じました。それでね、何度か見返してようやく気づいたんですけど、CMの最初に出てくる額装されたfamily tree(って日本語で何ていうんだろ。家系図を模した木の絵に、家族の顔写真があしらってあるものです)の中に、ちゃんとこの男性同士のカップルの顔も入ってるんです。これにはちょっと、じんと来ました。やるわね、コールズ。
*1:アンドリュー・サリヴァン. (2015). 『同性愛と同性婚の政治学 ノーマルの虚像』(本山哲人, et al, Trans.). p. 158. 東京:明石書店.