石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

インド・ニューデリーのクィア・プライドに多数参加 平等を訴える

Made in India: Decolonizations, Queer Sexualities, Trans/national Projects (Comparative Feminist Studies)

2015年11月29日、インドのニューデリーで毎年恒例の「クィア・プライド・パレード」が開催され、多くの参加者がジェンダーとセクシュアリティーの多様性を祝いました。

詳細は以下。

Delhi Queer Pride makes a statement on ‘muzzling’ of individual rights | delhi | Hindustan Times

ハリー・ポッターネタのプラカードもあればボリウッドダンスもあるパレードの模様はこちら。

植民地時代に作られたインドの刑法第377条では、同性愛は違法とされています。デリー高裁は2009年にこの377条を違憲と判断しましたが、2013年12月11日、インド最高裁は逆にこれを合憲とする判断を下しました。ゲイ・コミュニティーはこの日をゲイの権利にとっての「暗黒の日」("black day")と呼び、同性愛の非犯罪化を訴え続けています。

今年のプライド・パレードのプレイベントでは、同性愛の非犯罪化は単独の戦いではなく、カーストや宗教、障害などによる人権の抑圧全般と関わりがあるものだとする声明が出されたとのこと。なお同国ではつい最近、インド人民党のアルン・ジェートリー(Arun Jaitley)財務大臣が、刑法377条を見直す必要を示唆する声明を発表したばかりですが、Hindustan Timesによれば、クィア・プライドの参加者の多くはインド人民党も、財務大臣のこの声明も信用していなかったとのこと。

「彼(ジェートリー財務大臣)には、カーストや自民族中心主義による差別が猛威をふるっているのに、第377条について話すだけでは十分ではないと言いたいです」と、匿名希望のある参加者は言った。

“We want to tell him that it’s not enough to just talk about 377 when casteism and communalism is rampaging,” said a participant who didn’t want to be named.

今年のクィア・プライドの声明文を訳すと、こんなです。

「クィアな人々は、さまざまなタイプの人々が縛り付けられている世界では自由にはなれない……人間がありふれた迫害者の手によって縛られるのみばかりか、複数のアイデンティティーにまたがっているという理由で縛り付けられている世界では。わたしたちはダリット(不可触民)にしてクィア、イスラム教徒にしてクィア、部族民にしてクィア、障害者にしてクィアなのである」

“Queer people cannot be free in a world where people of various hues are shackled, not just because a common oppressor -– overarching patriarchy – attacks us all, but also because many of us straddle multiple identities – we’re Dalit and queer, Muslim and queer, Tribal and queer, Disabled and queer.”

ものすごく大事なことを言っていると思います。