ボツワナのサファリで、オス同士で交尾行動をとるライオンの姿が撮影されました。
詳細は以下。
Nicole Cambré photographs two male lions mating in Botswana safari park | Daily Mail Online
写真はこちら。
Two male lions spotted mating in safari park after ignoring pregnant lioness 🦁🌈 https://t.co/kCv2Cdv1Ae pic.twitter.com/IiIhDAXiWQ
— Daily Mail Online (@MailOnline) 2016年4月14日
これらの写真を撮ったのは、ベルギー人の法律家で、2014年のナショナル・ジオグラフィック写真賞ネイチャー部門受賞者でもあるNicole Cambréさん。Cambréさんがライオンの同性愛行動を見たのはこれが初めてで、後に本を読んで「そんなに珍しいことでもない」("not that uncommon")と知ったとのこと。
確かにそう珍しい行動でもないんですよね。以前紹介した、Bruce BagemihlのBiological Exuberance: Animal Homosexuality and Natural Diversity (St. Martin's Press)という本によれば、ライオンのオス同士でのマウンティングは全マウンティング中の8パーセント程度を占めると考えられているそうです。メス同士の交尾行動もよく見られ、2頭のメスが2日間に3回マウンティングし合うところが観察された例もあるとのこと。
ちなみに、上の写真のようなライオンの行動を、「示威行動としてのマウンティングだろう」と片付けてしまうのはまだ早いですよ。同書によればオスライオンのこうしたマウンティングは愛情を表す「あいさつ」から始まるのだそうで、彼らはまず頭をごっつんしたり体を擦りつけたり、相手のまわりをぐるぐる回ったり、ペニスが勃起した状態で地面にごろんごろんしたりするのだそうです。しかるのちに片方が片方にのしかかって腰を振るわけですが、こうした行動は数日間続くこともあり、その場合、オスライオンは他のオスの介入からパートナーを守ろうとする行動をみせるとのこと。なお、マウントする側とされる側は固定ではなく、交代制なのだそうです。これを「示威行動」と解釈するのは、かなり無理があるのでは。
絵本などのおかげもあって、ペンギンが同性同士でつがいを作ったりひなを育てたりすることは以前より知られてきていると思います。でも鳥類だけでなく、哺乳類でも、このような同性同士の求愛行動や性的行動は広く観察されています。否認したい人も少なからずいるでしょうけどね。そうそう、この写真について報じた米ハフィントンポストの記事に寄せられた、こちらのコメントがおもしろかったです。
今どこかで共和党員が泣き出したところ。
Somewhere a Republican just started crying.
好きなだけ泣けばいいと思うわ。