石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

共和党議員を銃撃から守ったレズビアン警官にトランプがキス 大いに不評を買う

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2017年6月14日に米バージニア州の野球場で起こった銃撃事件で身を挺して共和党議員を守ったレズビアンの警官が、この功績により、7月27日に勲章を授けられました。授与式で彼女の頬にトランプがキスする場面が、ネットで大いに不評を買っています。

詳細は以下。

Trump kisses lesbian police officer who helped stop congressional baseball practice mass shooting

この警官、クリスタル・グライナー(Crystal Griner)さんはオープンリー・ゲイの黒人で、女性と結婚しています。銃撃戦で被弾しつつもアンチゲイなレイシストの共和党議員を守り抜いたことで、一躍有名になりました。

2017年7月27日、グライナーさんは他の4人の警官とともに、公共の安全を守った警察官に与えられる最高位の勲章、勇士勲章(Medal of Valor)を授与されました。トランプ米大統領が彼女の首に勲章をかけた後、頬にキスする場面がこちら。

これに対する反響がこちら。

(訳:『トランプがオープンリー・ゲイの合衆国議会警察警官クリスタル・グライナーに無理やりキスしたのは、ペンス(訳注:アンチゲイなマイク・ペンス副大統領のこと)のコンバージョン・セラピー(訳注:同性愛を異性愛に『治す』という非科学的な療法のこと)の一部なのかも』)

(訳:『トランプはパーソナルスペースってものがわかってないの? クリスタル・グライナーは握手しようとして手を差し伸べたのに、トランプは頬にキスしようとパーソナルスペースに入り込んできた』)

以下のホワイトハウス公式動画で確認してみたところ、確かにグライナーさんは握手しようと右手を出してますね。トランプはその右手を握りつつ、同時に頬へのキスもしていた模様。ちなみに他の受賞者4人に対しては、女性も男性も全員握手のみで済ませています。なぜにグライナーさんにだけキスを?

てなわけで、こんな意見が出てくるのもむべなるかなという感じです。

(訳:『これはセクハラだよ! クリスタル・グライナーでも、他の目撃者でも、訴えることができるよ!』)

他に、昨今のトランプ政権の政策を下敷きにした批判もありました。

(訳:『ホワイトハウスはトランプが反トランスジェンダーな政策(訳注:これのこと)を進め、司法省がLGBTの人々から職場での保護を剥奪することを認めた(訳注:米司法省は先日、連邦の主な公民権法では性的指向を理由とした雇用差別は禁じられていないという、オバマ時代とは逆の見解を発表しています)のと同じ週に、クリスタル・グライナーをたたえている』)

(訳:『クリスタル・グライナーは、いつかツイートひとつで彼女の結婚を消滅させるであろう男と同じステージにいることにワクワクしているみたいだね』)

そういえば以前英紙ガーディアンが、トランプは握手を友好の印ではなく相手を犬のように引っ張ったりして優位を示すための手段として使っているため、各国首脳に嫌がられているという指摘をしていましたよね。動画だとこちら。

ひょっとしたら今回のグライナーさんへのキスも、一種の(LGBTコミュニティへの?)マウンティングだったりするのでしょうか。ああ、やだやだ。とにもかくにも、銃弾の雨にもトランプのキスにも負けず職務をまっとうしているグライナーさんの鋼鉄の勇気をたたえ、彼女の怪我の一日も早い治癒をお祈りしたいと思います。