米国の福音派牧師がアラスカのクリスマスショップに乱入し、子供たちに向かって「サンタなどいない」と言い続ける動画が話題になっています。調べたらこの牧師、去年のクリスマスにも同様のことをしてきたようです。
詳細は以下。
David Grisham repeats his ‘Santa’ message in Alaska | amarillo.com
問題の動画はこの牧師デイヴィッド・グリシャム(David Grisham)氏が自らFacebookに投稿したものですが、YouTubeでも見ることができます。
動画はまずグリシャム牧師がアラスカ州ノースポールのクリスマスショップ「サンタクロースの家」の前でカメラに向かって「サンタクロースなどというものはいない。クリスマスはイエスに関するものだ。これから中に入って真実を伝える」などと述べる場面から始まります。牧師はその後、店の中へと入り、クリスマスの買い物を楽しむ家族連れに向かって「子供たちに真実を伝えたい。サンタクロースは存在しない。サンタクロースはリアルではない。君らが今日見る相手はコスチュームを着た人間だ」などと大真面目で説明。
ほとんどの客は彼を無視しています。途中で店員が「あなたが信仰をお持ちなのはわかりますが、あなた以外の人にもみな信仰があって、当店のお客様に対してこのようなことは……」と遮りかけると、牧師は語気を荒げて「邪魔はしていない。真実を語っているだけだ」と言い返します。店員は引き下がらず、他の男性客と思われる人も「彼女はノーと言ったんだ」と店員を擁護。それでも牧師は「サンタは虚構」などと語り続け、気が済むまでしゃべるとようやく店を後にしています。
日本だとあんまり知られていないように思いますが、キリスト教の中にはサンタやハロウィーンを祝わない宗派もあるんですよね。実際、ペンテコステ派の親を持つ作家のジェネット・ウィンターソンは著書"Why Be Happy When You Could Be Normal"の中で、自分はサンタのためにクッキーを用意する代わりにヨハネ黙示録の四騎士への贈り物を用意する幼少期を送ったと書いています。たしかに厳密にルーツをさかのぼればサンタは4世紀の司教ニコラウスであってクリスマスとは関係ないし、ハロウィーンも古代ケルトの祝日だからキリスト教とは無関係だったりするんですが……でもそれを言うならクリスマスだってもともとはミトラ教の冬至のお祭りだったんだから、子供の楽しみを台無しにしてまで「イエスのためのもの」と主張しに行くのはおかしくない? 2016年にテキサスのショッピングモールで同じことをしたときにも迷惑がられていたみたいだし、もうやめればいいのに。