石壁に百合の花咲く

いちレズビアンの個人的メモ。

ハワイのベッド・アンド・ブレックファストがレズビアンカップルの予約を断ったのは違法 控訴裁判所が判断

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ハワイのベッド・アンド・ブレックファスト(B&B)が同性愛は悪だという理由でレズビアンカップルからの予約を断ったのは違法な差別であるとする下級裁判所の判断を、控訴裁判所が支持しました。

詳細は以下。

Hawaii appeals court sides with lesbian couple denied B&B - The Washington Post

このB&B、「アロハB&B」の店主フィリス・ヤング(Phyllis Young)氏は2007年、カリフォルニアのカップル、ダイアン・セルベーリ(Diane Cervelli)さんとタエコ・バフォード(Taeko Bufford)からの予約を拒否しています。セルベーリさんらがベッドがひとつの部屋を予約しようとしたため、レズビアンのために部屋を予約するのは不快だと伝えて断ったのだそうです。

セルベーリさんらは2011年、これを差別であるとしてハワイ人権委員会に訴えを起こしました。ヤング氏は宗教的信条を理由として同性愛者の客を断ることは認められるべきだと主張しましたが、2013年に敗訴。ヤング氏は控訴し、同性カップルの予約を断るのは合衆国憲法修正第1条が保証する表現の自由で認められるとして争いました。しかし2018年2月23日、控訴裁判所は下級裁判所の判断を支持する判断を下したんだそうです。

ちなみにこの、同性愛者へのサービス提供拒否を表現の自由を根拠に正当化しようとするやり方は、コロラド州のパン屋「マスターピース・ケーキショップ」の試みと同じですね。あと、同性カップルのコミットメント式(シビルユニオン登録における結婚式のようなもの)の写真撮影を断って州最高裁で負けたニューメキシコの写真撮影業者や、ゲイ・ウエディング用の花を売ることを拒否してやっぱり州最高裁で負けたワシントンの花屋とも同じ。どうしてこういう人たちのすることってこうも似たり寄ったりなんでしょうか。

勝訴したとは言え、バフォードさんはこのB&Bから予約をキャンセルされたことには今も心が痛むと話しているそうです。以下、彼女の声明より引用。

「わたしたちは、事業主が『広く一般に向けて営業中ですが、あなたに向けては営業していません』と言うような時代は過去のものだと思っていました」と、彼女は声明で述べた。「人は信仰を変える必要はありませんが、他のあらゆる人と同じく、法律に従わなければなりません」

“We thought the days when business owners would say, ‘we’re open to the public — but not to you,’ was a thing of the past,” she said in a statement. “You don’t have to change your beliefs, but you do have to follow the law just as everyone else does.”

早くこういうことをいちいち裁判で争わなくても済む世の中になってほしいです。